チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2014年3月30日
<速報>29日 バタンで尼僧焼身 内地130人目
チベット内地、主な抗議活動と焼身抗議発生地地図(Tsampa Revolution 作成)。地図の下方(南側)に今回焼身があったバタンが確認できる。バタンでの焼身は初めて。
RFA等によれば、3月29日現地時間午後3時頃、カム、バタン(ཁམས་འབའ་ཐང་། 四川省カンゼチベット族自治州巴塘)にあるバ・チュデ僧院(འབའ་ཆོས་སྡེ་དགོན།)傍で1人のチベット人尼僧が焼身を行った。「中国のチベット圧政に抗議して焼身したのだ」と現地の人はいう。焼身者の氏名、年齢、生死等は現時点で確認されていない。
「彼女は午後3時頃、バ・チュデ僧院の右繞(コルラ)道で焼身した。右繞していた人たちが火を消し、病院に運び込んだ」と現地と連絡をとったギェルツェンは伝える。
運び込まれた病院にはただちに大勢の部隊が集まり、病院に押し掛けたチベット人たちを追い出し、包囲したという。また、事件のあった僧院にも大勢の部隊が集結し、ネットや電話が遮断され、交通も規制されている。
彼女の身元について、ある人はバ・チュデ僧院に所属しているといい、ある人はマルカム県のドゥパ郷の出身だといい、ある人はバタン県のリンカ・シパ郷の出身といい、未だ一定せず確認されていない。
今月16日にもンガバで僧ロプサン・パルデン、ツェコで僧ジグメ・テンジンが焼身している。今月に入り3人目。内地焼身130人目。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)