チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年12月25日
ディル:中国国旗を燃やしたとして3人連行
愛国キャンペーンが続く自治区ナクチュ地区ディル県では、すでにこれまでに1000人以上のチベット人が拘束されたと言われる。「10歳や12歳の子供まで拘束され、暴力的に反政府活動の告白を強いられている」と現地から報告されている。
「シャクチュ村でこの3ヶ月間に拘束された70人ほどの中にはアポと呼ばれる12歳の少年が含まれていた。もっとも若いものは10歳。72歳の年寄りもいた」という。
その他「生後一ヶ月の赤子を残して母親が逮捕された。彼女は不適切な行動により共産党を侮辱したとされている」という報告もある。
24日付けRFAが伝えるところによれば。このディルで12月11日、16歳のブンツォ(འབུམ་ཆོག)少年が「中国国旗を燃やした」という容疑で連行されたという。彼は連行された数日後に20人ほどの警官に付添われ、自宅に現れ、自宅の捜査に立ち会わされた。そして、「この時ダライ・ラマ法王の写真が出て来て、再び連れて行かれた」。
その5日後には2人の女性が連行された。「12月16日、ヤンチェン、27歳とチュドゥンという16歳の少女が同じく中国国旗を燃やしたという嫌疑で拘束された」と報告される。
その他参照:12月24日付けRFAチベット語版
ディルで緊張が高まったのは、最初中国国旗掲揚に反発した村人が国旗を川に流したからと言われる。今回は「中国国旗を燃やした」と言われるが、中国国旗を燃やしたという話しは他に聞かない。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)