チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年9月18日
焼身抗議者の遺体を守ったとして2年間指名手配されていたチベット人逮捕
逮捕されたリンチェン・ダルギェとされる写真(RFAより)。競馬大会の際の写真と思われるが、馬に乗っているのが彼であろう。
今月10日、カム、タウ(ཁམས་རྟའུ། 四川省カンゼチベット族自治州道孚)でリンチェン・ダルギェ(་རིན་ཆེན་དར་རྒྱས།41)が逮捕された。
リンチェン・タルギェは、2011年8月15日にタウの街中で焼身抗議を行い、その場で死亡したタウ・ニャンツォ僧院僧侶ツェワン・ノルブの遺体を部隊が運び去ろうとしたとき、これを阻止し、ニャンツォ僧院に運び込んだチベット人として、その後当局に追われる身となっていた。
2年間以上身を隠していたが、今月10日、タウに戻って来たところを当局に発見され、逮捕された。その後、行方不明となっている。
リンチェン・タルギェは別名ララ、焼身したツェワン・ノルブと同郷、ロワ村の出身。妻と息子2人、幼い娘1人がいるという。
参照:17日付けRFA英語版
16日付けRFAチベット語版
17日付けTibet Timesチベット語版
18日付けTibet Express チベット語版
17日付けphayul
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)