チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年3月8日
BBC:リチャード・ギアへのインタビュー 「中国政府はマフィアのよう」
チベット支援者として世界でもっとも有名なリチャード・ギア氏は最近、コレクションしているギターの内100台以上をチベット支援資金創出のために売りに出した。
BBCは彼とのインタビューでこの話を話題にし、彼とチベットとの関係を聞いている。リチャード・ギア氏は人権問題を抜きにした経済関係を批判し、最後に「中国政府はマフィアのように振る舞っている」ときついコメントをする。
インタビューのビデオを見るには>>http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-21646961
以下、インタビューの日本語いいかげん訳。
BBC:音楽はどうなるの?
RG:音楽はそのままだ、これまでに映画の中に何度音楽を持ち込んだか分からないぐらいだ。音楽は私の生活の一部だ。毎日1時間は親しんでる。
BBC:へえ~ 1時間も、他の人と一緒に?自分だけで?
RG:マーケットに関係なくだ。自分1人で、自分がやりたくてやってる(演奏してる)だけだ。
BBC:100台以上のギターを数年前に売りに出したと聞いたが?
RG:あの時には泣いたよ。
BBC:じゃ、どうして?
RG:泣かされたね。、、、、Is that clean next year?
BBC:売っちゃったんでしょ、100万ドル(約9400万円)程で売り払ったと聞いたわ。
RG:そうだ。そして、チベットのためにすぐ寄付した。
BBC:そのことについて聞きたいと思うわ。もう30~40年間その(チベット)のために働いて来られた。最近、ハリウッドやワシントンで中国の影響力が強まっていると思うが、それを減らしたいと思っているのか?
RG:そういう別けじゃない。理解可能な動きだと思う。これをバランスさせる道を創り出したいと思っているのだ。現実には中国も我々を必要としている、我々が中国を経済的に必要としていると同じようにだ。これ(経済関係)はもうシステム化されている。双方ともこれから抜けることはできない。しかし、これを人権への配慮と法治への配慮と結びつけて行わなければならないと思うのだ。関連付ける必要があると思う。
中国政府は、全てを別々にして、個別の事象として、それぞれの国と交渉することに非常に長け、巧妙だ。これに気を付けないといけない。
BBC:つまり、経済という力により人権問題が無視されてはいけないということなのか?
RG:もちろん(経済と人権・法治は)関係ある。このことに対しはっきりした態度を示すべきだというのだ。一方的にチベット側につけという事ではない。もちろん、中国側につくということでもない。中国人だって同じ問題を抱えているのだ。
問題は中国政府がマフィアのように振る舞っているということなのだ。最悪の(悪魔的)状況だ。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)