チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2013年2月13日
ダンゴ:さらに5人に10年~14年の刑
14年の刑を受けたタシ・ダルギェ
去年のロサを前に「チベット人の祝わないVS当局の祝え」で緊張が高まっていた、カンゼ自治州のダンゴで1月23日大規模な抗議デモが起った。当局が集まったチベット人に無差別発砲し、30人以上の死傷者が出た。負傷者の多くは一旦ダンゴ僧院に運び込まれたが、応急手当を受けた後、歩けるものは山に逃げた。その後の当局の山狩りの最中に2人が射殺されるという事件もあった。(ダンゴのデモで撃たれた人々の写真>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51727698.html)
同じく14年の刑を受けたナムギェル・ドゥンドゥップ
事件後、何百人ものチベット人が拘束された。そして、去年中何度かに別けすでに30人以上に実刑が言い渡されている。その内、無期懲役の1人を入れ11人が10年以上の長期刑を受けている。(参照:http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51742485.html等)
そしてまた、今年に入りこのデモに参加した者5人に10年以上の刑が言い渡された。1月26日、カンゼ州ダンゴ県中級人民法院はダンゴ僧院僧侶タシ・ダルギェ(བཀྲ་ཤིས་དར་རྒྱས་30)とナムギェル・ドゥンドゥップ(རྣམ་རྒྱལ་དོན་འགྲུབ་)に14年、氏名不詳の2人の俗人に11年、ティンレー(འཕྲིན་ལས།)と呼ばれる俗人に10年の刑を言い渡した。
2人の僧侶は2008年にダンゴで行われた抗議デモにも参加していたことが監視カメラの映像から判明し、去年の1月のデモにも参加しデモを先導したとされた。ティンレーは当局が発砲後、デモが荒れ始めた時、銀行を壊したとされた。
現地のチベット人たちは、判決は不正であり、彼らの刑期は不当だという不満を漏らしているという。
たった数百人がデモした結果、このように沢山の死傷者と長期刑期者が出たというケースは中国でもまれではなかろうか?少なくとも4人が死亡し、16人に無期を含めた10年以上の刑が言い渡されたのだ。
参照:8日付けRFA英語版http://www.rfa.org/english/news/tibet/burnings-02082013165841.html
同チベット語版http://www.rfa.org/tibetan/chediklaytsen/khamlaytsen/kham-stringer/china-sentence-5-tibetan-from-drango-kham-02082013140819.html
同10日付け中国語版http://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/shaoshuminzu/dz-02102013124841.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter
10日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=7302
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)