チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2013年2月11日

チベットのロサ(お正月) 祝えば金 祝わねば厳罰

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579764_337932959649512_119134864_n写真とそのコメントは「Tibetan Culture」さんのFBより。

No matter how long the rain lasts ,there will be a rainbow in the end. No matter how sad you maybe ,believe that happiness is waiting.无论下多大雨,最后都会有彩虹,无论你有多悲伤,要相信幸福在前面等候。
(どれほど雨が続いたとしても、最後には虹が出る。どれほど悲しくとも、幸せが待っていると信じよう)
PIC:Seda Ng Ming Buddhist Institute,ganzi,sichuan tibet,(カンゼ州の尼僧院にて)c田野清风

今日、西暦2013年2月11日は、チベット歴では2140年水蛇年の1月1日、元旦、お正月である。同じ太陰暦ではあるが、中国の正月(春節)とは今年は1日だけずれている。どうも月に対する見方が違うらしい。

今、ダラムサラにいないので、現地報告はできない。ダラムサラにおける恒例のお正月一番のイベントは、日の出前にツクラカン(ナムギェル僧院本堂)屋上にダライ・ラマ法王がお出ましになり、議長初め議員、首相はじめ政府職員が列席する中でかなり長い正月の儀式、法要が行われるということだ。

ダラムサラのロサについては、去年のロサ・ブログに法王の写真満載で紹介しているので、それを参照して頂きたい。今日も似たようなことが行われていると思われる。

2008年以前なら、お正月には一日中ツクラカンの前で歌や踊りのショーが延々と続いたものだが2008年以降はチベット内地の状況が厳しいというとこで連続して祝い事自粛。歌舞はなく、宗教的行事だけが行われている。代わりに正月から集会やデモが行われるというのが最近のダラムサラのロサである。

内地のチベット人たちが当局から、祝え、爆竹ならせ、踊れ、歌え!と命令されてるという話はこの前書いた。そのもっと詳しい報告がRFAに載っていたので、追加する。

祝えば金、祝わねば厳罰

2月9日付けRFAチベット語版http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/china-pressures-tibetans-to-celebrate-losar-02092013134140.htmlによれば、

アムド、ツォロ(青海省海南チベット族自治州)では1月20日から、州内5県全域で焼身に関する罰則規定や写真等が張り出され、チベット人を脅し始めていた。

また、地区の役人が村々やそれぞれの家庭を個別訪問しながら、「今年のロサは、特に盛大に祝わねばならない、もしも、祝わずに喪に服すような態度を示した家は厳重に処罰する。盛大に祝えば報奨金(補助金?)も与えるぞ。村々では集まって弓大会等の遊びを色々行い、ショ(チベットのサイコロ遊び)をやるなら3万元から4万元やってもいい」と話し、また「そのようにやらないなら、僧牧畜や植林にたいして出る補助金を取りやめる。僧院や僧侶もロサを祝わないという間違ったメッセージを広めるようなことがあれば、厳重に処罰する」とむちゃくちゃな話をしているという。

以下、中国国際放送局が伝えるチベット新年のようす。

チベット各民族、チベット暦の新年と春節を祝う
今日、10日は春節・旧正月の初日であり、チベット暦では新年の水蛇年を迎える前の大晦日でもあります。チベットの各民族はチベット暦の新年と春節を祝っています。
 チベット族にとって、チベット暦の新年を迎える日は一年で最も盛大に祝う伝統的な祝日です。チベット暦の元日から15日間にわたって様々なイベントを行って祝います。今年、チベット暦の新年の水蛇年は春節より1日遅れて迎えます。
 チベットのラサでは10日、朝から爆竹の音が鳴り響き、街中が赤い灯篭などで飾られています。チベットの新年を体験しようとほかの地域から多くの人が訪れています。(鵬、中原) http://japanese.cri.cn/881/2013/02/10/161s204536.htm

changcha-305アムド、サンチュ(甘粛省甘南チベット族自治州)でロサの間、抵抗の印に五体投地を続ける一団。彼らは「焼身者への連帯と自由への祈りを込めて五体投地を行う」と宣言しているという。詳しくはhttp://www.rfa.org/tibetan/chediklaytsen/amdolaytsen/amdo-stringer/tibetan-in-bora-celebrates-losar-with-religious-acitvities-02082013110429.html

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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