チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年12月3日
<速報>焼身は止まらない 今日、ゴロ、ペマ県で僧侶が焼身・死亡 内外合わせ97人目
今日、12月3日、現地時間午後7時40分頃、ゴロ州ペマ県(མགོ་ལོག་པདྨ་རྫོང་)ペマの街中で中国政府のチベット圧政に抗議し僧侶が焼身、その場で死亡。
僧侶の名はロプサン・ゲンドゥン(བློ་བཟང་དགེ་འདུན་)、29歳。彼はペマ県セレ・タン郷ペナク僧院(པདྨ་རྫོང་སེ་ལེ་ཐང་ཡུལ་ཚོའི་པད་ནག་དགོན་ཀ་དམ་སྤྲོས་བྲལ་གླིང་)の僧侶である。父の名はゴロ・ロコ、母の名はゴ・デワン。
彼が焼身した場所はペマの街の中心にある八葉蓮華のモニュメント(ペマとはチベット語で蓮の花の意)の近く。彼は炎に包まれながらも両手を合わせ、スローガンを叫びつつ数百歩進み、倒れたという。付近にいた警官と軍が集まり、彼の遺体を運び去ろうとしたが、チベット人も大勢集まり、遺体を奪われることを阻止。現在、彼を僧院に運びつつあるところという。
現在、部隊がペマの街を包囲し、緊張が高まっているという。
ロプサン・ゲンドゥン生前の写真。
内地焼身94人目(亡命政府発表92人目)、内死亡確認79人目(亡命政府発表77人目)。内外合わせ、2009年以降の焼身者97人目。1998年のトゥプテン・ンゴドゥップから数えれば、これで99人目。後1人で100人。
参照:3日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=7004
追加(12月6日):僧ロプサン・ゲンドゥンに捧げる井早智代さんの絵。
「炎に包まれながら、彼は両手を合わせ、スローガンを叫びながら、数百歩歩いた。そして、八葉蓮華のモニュメントの前で力尽き倒れた」
(絵に添えられた言葉)
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)