チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年11月28日
<速報>焼身者急増! 昨日2人目の焼身 サンチュ県サンコク郷で 内地89人目 今月25人目
昨日、11月27日、現地時間午後11時頃、サンチュ・ゾン(བསང་ཆུ་རྫོང་甘粛省甘南チベット族自治州夏河県)サンコク郷(བསང་ཁོག་ཞང་)でサンゲ・タシ(སངས་རྒྱས་བཀྲ་ཤིས་)、18歳が中国政府の圧政に抗議する焼身を行い、その場で死亡した。
サンゲ・タシはその日、友人と共にバイクで郷中心地に向かった。焼身を行う直前に彼は従兄弟のツェベに電話を掛け、「アロ(ハロー)、俺は今日チベットのために焼身するぞ」と話した。ツェベは「アロ、アロ、そんなことはするな、ちょっと待て!」と応答したが、すぐに電話は切られた。その後、何度電話しても通じなくなったという。
家族がサンコク郷に駆けつけたが、その時にはすでに彼は焼身した後だった。目撃者の話によれば、彼は焼身しながら「ダライ・ラマ法王をチベットにお招きすべきだ!パンチェン・リンポチェはじめ全ての政治犯を開放せよ!」と叫んだという。遺体は家族の下に運ばれた。
彼の父の名はナムコ。兄弟は4人。サンコク小学校で4年勉強した後、家の遊牧の仕事を手伝っていた。彼は普段、親の話をよく聞く、品行正しい若者だったという。
彼が焼身した場所は10月26日にトゥプワン(23)が焼身した場所に近かったという。http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51767074.html
内地焼身89人目、内死亡確認75人目。今月25人目。
参照:28日付けTibet Timesチベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6970
28日付けTibet Expressチベット語版http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/9733-2012-11-28-09-47-27
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)