チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年10月25日
ビデオ「チベットから国連への嘆願」
Tibet Justice Chanelというチベット支援団体が10月15日にアムド、ラプランから送られて来たというビデオを発表した。この1分間ほどの短いビデオは「チベットから国連への嘆願」と題されている。
映像のほとんどは、8月7日にツゥ(ツォエ 合作)のツゥ僧院仏塔前でドルカル・ツォが焼身したというニュースを聞き、サンチュ(夏河)にあるラプラン僧院の僧侶がツゥに向かった時のものである。この時、当局は僧侶たちがツゥに向かうのを阻止した。仕方なくラプランの僧侶たちは路上に座り込み祈りを上げたのである。詳しくは>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51756880.html
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/2012-08.html?p=2#20120808
また、布が掛けられた遺体の前で僧侶たちが祈っているシーンがあるが、これは10月13日に同じくツゥ僧院仏塔前でタムディン・ドルジェが焼身したときのものである。詳しくは>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/2012-10.html#20121013
このビデオが作られた後にも、ツゥで1人、サンチュ自体でも2人と相次いで焼身抗議が行われ、全員死亡している。この悲痛な訴えが国連に届くことを願う。
以下、日本語訳:
煙が昇る 世界の頂の空に煙が昇る
泣き叫ぶ声と共に昇るああ 国連よ よく見てほしい
煙は 薪や乾燥した糞から昇るのではなく 火山の噴火でもない見よ それは尊い人の命が自ら燃え上がったもの
見よ 耳傾けよ 調査せよ 国連よ
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)