チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年9月28日
法王の長寿を祈る「テンシュク」と「第二回特別会議」閉会式
今日ダラムサラでは朝、ダライ・ラマ法王の長寿を祈る「テンシュク」、午後から「第二回特別会議」のまとめと閉会式が行われた。
今回の「テンシュク」は亡命政府主催であったが、各派の代表ラマが一堂に会し、ネチュンとガデンのオラクルも登場するという特別盛大なものであった。
法王の長寿はチベット人の生命線。本気で力を込めて祈るべきものなのだ。
幸い法王は現在健康そのもの、本気で100歳以上生きられるおつもりである。「共産党の寿命より自分の寿命の方が長い」と常々おっしゃられている。
法王に健康上気をつけるべきことなどについてアドバイスされたのではないかと想像する。
その他の「テンシュク」写真を紹介する前に、午後から行われた「第二回特別会議」閉会式の方を先に報告しておく。
午後2時の予定が3時になったが、TCVホールに参加者全員が集まり、まず各部会で話し合われた提案のまとめが発表された。
提案は全部で31項目。亡命社会への提案が16項目、国際社会に対する行動提案が7項目、アジア地域に対する行動提案が8項目。詳しく紹介するのは次回に回させてもらうが、まとめて言えば焼身抗議者をはじめチベット人全ての悲願である「法王のチベット帰還」と「チベットの自由」を実現するためにこれまで以上に活発に行動するということである。
焼身抗議者については記念日を設定し、残された家族へもできるだけの支援を行い、彼らの遺書を各国語に訳し広く世界に知らせるという提案がなされた。広報力を高めるために、アジアを中心に政府の要員も増強し、メディア戦略を練り直し、政府の広報ネットを強化し各国語にすばやく翻訳。ロビー活動をさらに強化し、支援団体も増やす努力を行うと。
ここで、首相は「アジアも大事だが、アメリカや欧米も大事だ、特にアメリカは大事だ」と言い、「新しい友人、人脈を増やすことも大事だが、かといって古い友人をおろそかにしてはならない。そうでなければ、中国に取り込まれる人が出て来る危険もある」などとおっしゃった。
首相は「この特別会議を開いたことにより、内地の人々へも連帯を示すことができ、中国に対しても圧力を掛けることができたと思う」と。
テンシュクに戻る。ニンマ派の赤い帽子を冠られた法王。途中、ニンマ派に関係する儀式も行われたようだ。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)