チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年9月24日
亡命政府が焼身の背景を明らかにするビデオを制作
今日、午後2時半からダラムサラの亡命政府DIIR(情報国際関係省)のホールで記者会見が開かれ、DIIRが新しく制作した焼身抗議に関する30分ほどのビデオが紹介された。題は「THE BURNING QUESTION: Why are Tibetans Turning to Self-immolation?」
制作の目的はチベット内の焼身抗議の事実、彼らの要求、その真の背景を広く世界に知らせることである。
背景を説明するために、文革を含め、チベットが中国に侵略された後のチベットの状況を概観し、2008年以降のチベットの抵抗運動を詳しく紹介している。原因の1つと思われる当局による「遊牧民強制移住」についても語られている。
今のところ英語版しかリリースされていないが、今後中国語版、チベット語版も制作されるとのこと。
中国側が制作した焼身に関するプロパガンダビデオ>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51749781.htmlに対抗する意味もあるようだ。
この中で1つだけ間違いを発見。7:40辺りから焼身の顔写真が何枚か紹介されているが、その1人目は焼身者ではなく、私がhttp://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51743237.htmlで伝えている失踪したダンゴ僧院僧侶ゲシェ・ツェワン・ナムギェルである。
焼身者の数については、私はラガンの2人を含めこれまでの内地焼身者の数を53人とするが、亡命政府は未だラガンの2人を含めず51人とする。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)