
チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年6月29日
<速報>ジェクンドで女性1人が焼身抗議
ウーセルさんがツイッター上で伝え、これを元にVOTが中国語記事http://www.vot.org/?p=13055とチベット語放送で報道したところによれば:(以下@uralungtaさんが中国語より翻訳して下さったもの)
6月27日午後3~4時ごろ、ジェクンド(ケグド/ユシュ)のジェグ(青海省玉樹州結古)、ジェグ寺門前街の市街地で、チベット人女性1人が焼身をはかった。
火勢は大きかったが、消し止められ、女性は病院に搬送された。現在、治療中とのこと。彼女の年齢や名前などはまだ判明していない。現場は多くの人々に目撃された。
当局は会議を開いて焼身が起きたことを外に伝えることを厳禁するとともに、チベット人女性の焼身はジェクンド震災後の土地問題と関係のあることであって民族問題とは無関係であるということにした。軍と警察は焼身の起きた地域を封鎖している。
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この焼身について、まだ他のチベットメディアは報道していない。今のところウーセルさん情報しかない。ウーセルさんが確認されていないことを公表することはまずないので確かと思われる。
27日に起ったことを亡命側が未だ確認していないということは、稀なことだ。現地の情報網遮断が徹底しているからと思われる。
追記:30日付けTibet Express http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/8538-2012-06-30-08-28-19は南インドの僧侶経由で伝えられたこの焼身の話を報じている。
それによれば、確かに27日の午後4時頃1人の女性がジェグ僧院傍で焼身したという。女性の年齢は40歳ぐらい、氏名は依然不明。病院に運び込まれたというが現在の容態は不明。焼身の目的について、現地の人々も「土地強制収用」に関係するのではないかと噂しているという。
筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)