
チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年6月21日
ダライ・ラマ法王とスーチー女史が感動の初会談
とうとう、ダライ・ラマ法王とアウンサン・スーチー女史の会談が実現した。私は二人がお会いになる前にもツイッターに「今、スーチーさんはアイルランド、法王はスコットランド。近いな~」と、その次には「今、スーチーさんも法王も同時にロンドン。会わないのかな~」なんて書いてたが、一昨日の朝、これが本当に実現したのだ。
dalailama.com http://www.dalailama.com/news/post/812-a-day-of-meetings-and-talks-in-london#.T-J2WLuxHTg.twitter によれば、会談は19日朝、スーチーさんの方から法王を訪問するという形で(予定外に)実現したという。約30分間行われたという会談の内容についての詳細な報告はまだ公表されていないが、法王がスーチーさんに対し「あなたの勇気を心から賞賛している。こうしてお会いでき、とても嬉しい」とおっしゃったとのこと。
また、法王は「あなたのお父様が大いに貢献されたように、あなたも人道に対する大いなる貢献をされることであろう。あなたが人生の目的を達成されることを願う」という趣旨の話をされたという。
奇しくも、この日はスーチーさんの67歳の誕生日であった。16日にはノルウェーで感動的なノーベル平和賞のスピーチを行われ、ヨーロッパ各国を巡り首脳たちに会い、母校であるオックスフォード大学からは名誉博士号を送られた。20数年を経て自由の身になり、初めての外遊は実に実り多いものとなった。そして、お誕生日に法王と会談。感動のツーショット。この写真はチベットとビルマで圧政の下に苦しむ人々をはじめ、世界中の自由と正義を愛する人々を多いに勇気付けたことであろう。
法王は他のノーベル平和賞受賞者とともに、スーチーさんが軟禁されている間に何度も彼女の解放を世界に訴えている。
この辺の話は早稲田の石濱先生が今日ブログに載せられていたので、是非読んで頂きたい。>http://shirayuki.blog51.fc2.com/blog-entry-621.html
法王も今回のたった2日間のロンドン訪問は特に実りの多いものであった。19日にはスーチーさんと会談した他、ウエストミンスター大学で講演し、ロイヤル・アルバート・ホールで講演し、BBCとインタビューし、56カ国の大使館関係者と会い、野党党首のRt Hon Ed Milliband等の政府要人と会った。20日にはLondon School of Economicsで講演し、Westminster Abbeyで各宗教の代表的宗教者たちと会い、大勢の議会議員と会い、そしてプリンス・オブ・ウェールズとコーンウォール公妃にお会いになった。
法王ロンドン訪問中の写真は>http://dalailama.com/gallery/album/0/188
ウーセルさんがツイッターにアップした「法王とスーチーさんのツーショット」を嬉しそうにスマホで撮影するアイ・ウェイ・ウェイさん。
母校オックスフォード大学から名誉博士号を授与され、喜びのチャーミングなビルマ笑顔を見せるスーチーさん。
筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)