
チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年6月20日
<速報>今日 ジェクンド州ザトゥで2人の若者が焼身抗議 遺書を残す
なお、動画もVOAの@dreamlhasa により先ほど発表された。http://yfrog.com/9dfupz
今日現地時間午後3時半頃、カム、ジェクンド(ユシュ、ケグド、玉樹)ザトゥ(རྫ་སྟོད་ 雑多)県ザトゥで2人のチベット人若者が焼身を行った。今のところ(インド時間午後5時半)1人の死亡が確認され、もう1人は生死不明(追記:病院に収容されていると)。
Tibet Times チベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6199 及び
VOT中国語版http://www.vot.org/?p=12575 参照。
<追記>当ブログ管理者のライブドア社から、「死体等の写真を載せてはいけない」とのことで、一旦アップしたブログが消されていた。仕方なく、遺体の写真は削除した。全ての写真を確認したい人は元ソースにアクセスして頂きたい。
焼身した2人の名前はンガワン・ノルペル(ངག་དབང་ནོར་འཕེལ་22)とテンジン・ケドゥップ(བསྟན་འཛིན་མཁས་གྲུབ་24)。テンジン・ケドゥップの死亡が確認されたという。
ンガワン・ノルペルはアムド、ンガバの出身。父の名はラクパ・ドゥンドゥップ、母の名はツェリン・ヤンチェン。数年前にザトゥに移住していた。
テンジン・ケドゥップはジェクンド州ティドゥ県ニャンツォ郷出身。父の名はレクドゥップ、母の名はキンゾム。シルカル僧院の僧侶であったが2006年に還俗。
彼ら2人は遺書を残していた。以下、Tibet Times に発表されていたその遺書を訳す。
「我々2人は、これまでチベットの宗教や文化に対し少しも貢献できなかった。また経済的にもチベット人を豊かにする仕事ができなかった。だから、今回自分たちができることとして、チベット民族と特にダライ・ラマ法王が千年万年と生きられること、またダライ・ラマ法王がチベットにご帰還されることを願い、我らの身を捧げる。我々のようなチベットの若者にお願いする。チベット人同士で喧嘩しないと誓ってほしい。みんな連帯し一団となりチベット人としての誇りを守ってほしい。また、そうできると確信する」
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これで、チベット内地の焼身抗議者の数は41人となった。内死亡確認は31人。
2人は焼身の際、チベット国旗を手にしていたという。
VOTによれば2人は焼身しながら、「チベット独立!法王帰還!」と叫んだという。
追記:テンジン・ケドゥップの出身地であるティドゥ県では、今年2月8日にラ僧院僧侶ソナム・ラプヤンが焼身している。彼の消息は今も分かっていない。参考過去ブログ>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51729238.html
ンガワン・ノルペルの出身地であるンガバはご存知の通り、これまでもっとも多くの焼身者を出している場所である。
筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)