チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年2月24日
BBCがチベット正月の真の姿を伝える
BBCは昨日<Calls for Tibetans in China to boycott celebrations (中国内のチベット人は祝いをボイコット)>と題されたレポートと映像を放映した。世界中の多くの人々がこれを見たはずだ。
以下でこのニュースを見る事ができる:
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-17134560
内容を日本語にしてみる。
まず、チベットの僧侶たちの正月の儀式を映し、レポーター:「これが中国が世界に見せたいチベットの正月の姿だ」とコメント。
次にアムド、ラプラン僧院が映し出され、広場で経を上げる僧侶たちをアップしながらレポーター:「しかし、北京から遠く離れた中国の西のこの僧院では、僧侶たちは静かだが断固とした決意で正月をボイコットし、中国の弾圧に対し抗議すると話す」
1人の僧侶を僧房に訪ねインタビュー
レポーター:「ダライ・ラマ法王の写真を持ちながら、この僧侶は当局の締め付けに対し恐怖感を抱き、名前を明かす事を望まない」僧侶:「我々には自由がない。宗教の自由がない。言論の自由さえない。弾圧は厳しく、抗議デモを行えば、発砲される。何もできない」
セルタの「倒れたデモ抗議者を連れ去る保安部隊の写真」が写され、レポーター:「中国は抗議者に対し大規模な弾圧を行っている。そのような状況の中で去年(チベット的去年)20人以上のチベット人が焼身抗議を行った。キャンペーングループによれば数百人が拘束されているという」
(記者会見における)中国外交部スポークスマンの話「このような状況の下では地区当局はチベットの警備を強化せざるを得ない。これは分裂主義者の活動に対抗し、社会の安定を維持するために必要な処置だ」
レポーター:「しかし、中国政府はチベットで何が本当に起こっているのかを見せたくない。本来ならこの時期は祝福の時だ。しかし、今年は暗い日々が続く。正月に何が起こるのかと多くの人々は心配している」
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)