チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年12月31日
ブッダガヤのカーラチャクラ法要 その2:インド人とカルマパ僧院編
ブッダガヤに来るのは30数年振り。もちろん驚くべき変化。ガヤからタンガ(馬/ラバ車)に揺られてのんびり到着した今から比べればほぼ空っぽの静かだった聖地、の面影はまるでない騒々しい町になっている。
それでもちょっと離れた場所にある宿の周りには昔ながらのビハールの田舎が広がっている。ブッダガヤもチベット人がこれほど頑張ってなければこれほど騒々しくはいなかったと思う。
最初の写真は宿の前の道を行く可愛い現地の女の子。
ビハールの典型的な風景。水牛の親子とおやじと牛糞乾燥中の壁。
右手はカーラチャクラ参加者のためのテント、正面は通称カルマパ僧院。この僧院は私が設計したものだが、実は今回初めて見た。数年前図面だけ送ったのだが、何度頼まれても遠いからと現場監督をさぼり続けていた。
もちろん、実際にもう建ってしまったものを見て、文句いってもしょうがないが、図面とはかなり違ったものとなっていた。屋根の形状、その微妙なカーブの差が一番気になった。
僧院遠景。4角の塔の屋根が方形から入母屋に変わっていたのは一番痛かった。後、そりがきつく中国風になっちゃってる!がっかり……
このテント村の住民にはアルナチャルから来た人が多いようだった。
今日12時頃、ダライ・ラマ法王がブッダガヤに到着された。明日朝7時から灌頂の地を清める儀式が行われ、灌頂用の砂マンダラの制作も始まる。午後に法王が短いティーチングを行われる予定になっている。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)