チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年7月18日
2人のチベット人女子学生が抗議デモの後激しい暴行、治療も拒否
7月18日付けphayul:http://p.tl/BpVO より。
カムで中国への抗議デモを行ったチベット人少女2人が、保安部隊の激しい暴行により現在重体と伝えられる。
この情報は南インド、セラ・ジェ僧院テホル・カムツェンの僧ロブサン・ドゥンドゥップがphayul.comに伝えたもの。抗議デモを行ったのは、タシ・パルモ(16)とペマ・ヤンゾン(19)。2人はカンゼ地区ノルジン村の出身。カンゼ中学校生徒。
「7月12日夕方4時頃、カンゼでタシ・パルマとペマ・ヤンゾムが、チベットの独立とダライ・ラマ法王の帰還を求め、平和的抗議活動を行った」とドゥンドゥップは語る。
さらに「目撃者の証言によれば、2人の少女は逮捕の前に中国の保安要員により無慈悲に打ち据えられた」と言う。
2人の少女は暴行により重傷を負ったが、治療は受けさせてもらえなかった。
「少女たちは危険な状態だった、それでも中国当局は彼女たちに治療を受けさせなかった。私たちは2人の命を案じている」と僧ドゥンドゥップはphayul.comに語る。
この抗議活動は6週間前にカンゼで始まった、中国政府に対する一連の抗議デモの一つと言えよう。
中国がチベット開放60周年を演出する公式行事を大々的に行っている今、チベット人たちは自分たちの「独立」と「ダライ・ラマ法王帰還」への欲求を(命がけで)力強く主張し続けている。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)