チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2011年6月21日

「チベットには自由も基本的人権もない」このように訴え一人の少年が自殺

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36a549bf再掲:2008年10月31日分

October 28, 2008緊急委員会プレスリリースより http://www.stoptibetcrisis.net/pr281008.html
翻訳:K女史

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信頼できる情報筋によると、2008年10月18日午後4時ごろ、青海湖に近い、黄南チベット族自治州チェンツァ地区の中学校に通う一人の生徒が、チベットには自由も基本的人権もないことを訴えるため、自殺した。

タシ・ナムギャル・ツァン氏の子息である17歳のルンドゥブは、3階建ての学校の屋根から飛び降りて自殺した。ルンドゥブはチェンツァ地区に一年間住んでおり、二年後には高校へ進学する予定だった。非常に礼儀正しく、クラスの中でも最優秀グループに入っていた。


自殺する前、彼は両親や先生、友達に宛てたメモを残している。
その中で、自分が自殺する理由について、「個人的な理由で自殺するのではない。世界の人々に、チベット人は自由と基本的人権を奪われていることを証明するために自殺するのだ」と、はっきりと記している。
また、「チベット人が自分達の自由を獲得するために、毅然として戦い抜いていくことを望んでいる」と述べ、先生やクラスメート達には「私達の母語であるチベット語を守っていくために、一生懸命がんばっていってほしい」と付け加えている。

2008年3月、ルンドゥブはカンツァ地域の小・中学校から中国国旗を降ろして燃やし、その代わりにチベットのスカーフを国旗のポールに結びつけるという行為に加わった。現時点で、この学校は厳戒な監視下におかれている。

この情報の提供者は、「チベット域内外のすべてのチベット人に、ルンドゥブの犠牲について知ってほしい。そしてチベットの正義のために勇気の炎を保ち続けてほしい」と述べている。

現在も続いているチベット域内における危機的な状況に鑑み、我々は国連および国際社会・国際機関に対して、以下の点を大至急要請する:

1. チベット域内に、独立した国際事実調査使節団を大至急派遣すること
2. 中華人民共和国政府に対して、自由な報道機関がチベット全域に無制限にアクセスできる許可を出すよう、圧力をかけること
3. 中華人民共和国政府に、チベット全域における残虐な殺戮をやめるよう、圧力をかけること
4. 逮捕・投獄されているすべてのチベット人を即刻釈放すること
5. 負傷したチベット人達に大至急、医療措置を施すこと
6. 人々の自由な移動を許可し、生活必需品が手に入るようにすること

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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