チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年1月9日
ダラムサラの野鳥 その14
Chestnut-bellied Rock Thrush (Monticola rufiventris) Male 23cm
今日は、ほんと久しぶりのダラムサラの野鳥シリーズ。
(写真はクリックして大きくすることを勧める)
夏までの一年間、凝り性の私がこの辺りで撮りまくった野鳥は250種になり、遠征しない限りはもうほぼ新種は現れない状態。
正直、熱も覚め気味。
それでも、窓の外から聞こえる鳥の声に呼ばれて時には、まだシャッターを切っている。
今回紹介する野鳥も、一種以外はすでに紹介済みではあるが、冬、山から下りて来て、平野にも行かず、この辺にいる鳥たちを再度お見せする。
一枚目のこの美しい青い鳥、最近家の周りに住み着いているらしくほぼ毎日見かける。
ツグミ科で、日本のイソヒヨドリに似ているが目から喉までが黒いところが異なる。
Chestnut-bellied Rock Thrush (Monticola rufiventris) Female 23cm
上の鳥はオスでこれがそのメス。
メスは日本のヒメイソヒヨのメスにそっくり。
このオス・メスは稀にしかいっしょに現れない。
普段、お互いに単独行動を好むらしい。
Lammergeier (Gypaetus barbatus)125cm
この鳥が今回の新種。
これはダラムサラの裏山であるトリウンド約3000mに最近行った時に撮影したもの。
めったにお目にかかれない鳥だ。
この鳥ラマーゲイヤーは巨大であり、「ユーラシア最大の猛禽類」と言われている。
日本語では「ヒゲワシ」と呼ぶらしいが、日本には日本平動物園に一羽のみいると。
チベットにいる。エチオピアなどアフリカにもいるが数は極めて少ないそうだ。
体長125cm、羽根を広げると3Mにも達するものがいると。
禿鷹の一種だが、普通の禿鷹よりちょっと大きめ。
夏には5000m以上の高山にも住み、冬でも2000m以下には下りて来ない。
この鳥は肉をほとんど食わず、主食は骨の中の髄であるという。
禿鷹などが食べ残した骨を拾い、空中からその骨を岩の上に落下させて割りその中の髄を食べるのだ。
その映像を以下のYoutubeで見る事ができる。
http://www.youtube.com/watch?v=mDMA5ELJ4iQ
ウィキペによれば、「アラビアンナイトに登場する怪鳥ロックは、この鳥がモデルという説もある。古代ギリシアでワシが三大悲劇詩人の一人であるアイスキュロスの頭上にカメを落として死亡させたとの逸話は、ヒゲワシによるものと思われる。」そうだ。
Kalij Pheasant (Lophura leucomelanos) 70cm
このキジはもう、オス、メス、ベイビー共に何度か紹介している。
家族で年中この辺にいる。美しい鳥。
Red-billed Blue Magpie (Urocissa erythrorhyncha) 70cm
この鳥も年中、この辺に沢山いる。
日本のオナガやカササギの一種だが、日本にはいない。
この辺ではこの鳥を「Paradise Bird 極楽鳥」と呼ぶ。
Variegated Laughingthrush (Garrulax variegatus)24cm
英語名をそのまま訳すと「多彩笑いツグミ」。
数羽でチチチ・・・と鳴きながら素早く木々を移動する。
よって撮影するのは非常に難しいという鳥だ。
Blue-fronted Redstart (Phoenicurus frontalis)12cm Male
ヒタキ科の小さな鳥で、日本のジョウビタキの一種と思えばいい。
この子はまだ産毛があり幼鳥と思われる。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)