チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年12月23日
ビデオ・ラサを目指しリヤカーを引きながら進むカムの巡礼者たちの群れ
一作日ツイッター上でチベット人が教えてくれた映像に心打たれた。
しかし、中国語を理解しない私には何を言ってるのかが解らない。
そこで@uralungtaさんにちょっとだけでいいから訳して見て、と頼んだ。
まさか、67もあるコメントまで全部訳して下さるとは思ってもいなかった。
映像に対する中国人のコメントを読むとまた、いろいろ考えさせられる。
以下、その訳をうらるんたさんのブログから転載させて頂く。
うらるんたさん、翻訳本当にありがとう!
ご苦労様でした!
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投稿ビデオ「衝撃! 五体投地を激写!」
http://lung-ta.cocolog-nifty.com/lungta/2010/12/20101221.html
(今回もツイッター関連。すみません)
チベット人がチベット語で「心動かされる映像。彼らはカムからラサへ歩いて巡礼に行く信仰心の篤い人たちなのだ」とツイート(していたのを@tonbaniさんが「必見!列をなし、ラサを目指してリヤカーを引きながら進むカムの巡礼者たち。五体投地の人も。リヤカーの中の子どもたちが可愛い!なんだか泣ける」と引用リツイート)していた映像です。
中国版YouTube「優酷」(YouCool、とでもいうニュアンスでしょうか)への、漢人辺境旅行好きビデオマニア(たぶん)の素人レポート。「拍客」(アマチュアビデオレポーター)のレポートもさることながら、コメント欄も盛り上がっていて、「どんなことが書いてあるのか訳して」といわれたので粗訳してみました。
元映像はこちら
【拍客】震撼!实拍最虔诚的朝拜者“五体投地”(【投稿レポート】衝撃! 最も敬虔な巡礼者の「五体投地」 ホンモノを激写)。
http://v.youku.com/v_show/id_XMjMwNzEwMTQw.html
レポーター「私の前方には、巡礼でラサに向かう隊列がいます! リタンからの人たちです」
(タシデレ~、と声がかかる。※「タシデレ」は本土チベットでは、身内相手には使わないヨソ者向けの挨拶言葉。ビデオ撮影者は一見して旅行者とわかる格好やそぶりをしているんだと思う)
レポーター「(巡礼者に)タシデレー」「彼らは既に2ヶ月以上歩いています」(ワンボックスカーがクラクションを鳴らし通り過ぎる)
レポーター「隊列の長さはだいたい200メートル以上あります」(はあ、はあと荒い息)「だいたい2~3人で1台の荷車を引いています」「これが信仰の力です」「2カ月以上、野外炊飯で野宿です」「すべてラサに巡礼するためです」(巡礼者から「ラサに行くよ、ラサラサ」「タシデレ」と声が掛かる)「ハハハ、タシデレ」(「ホーイ」と手を挙げ応える巡礼者)
レポーター「彼らは子どもも連れて行きます」
レポーター(子どもを連れて行くのは)「天への畏敬、神への信仰を子どもたちに培うためです」(荷車の荷台に座る女児もを写す)
レポーター「お嬢ちゃん、年はいくつ?」(女児、手を振ってにこにこ。荷車を引く父親が代わりに答える)「9歳だよ、もう大きいよ」
レポート「9歳か、学校は行かないのか」
父親「ああ、自習してる」
レポーター「そうか、休学申請*はしたのか」(*「請暇」という単語を使っている)
父親「今年は行ってない」(※学校に行ってない、という意味で、「請暇」は通じてない)
レポーター「そうか、ラサに行ったら何をして過ごすんだ?」
父親「行ったら頭を地面にうちつける」
レポーター「え? ああ、つまり『礼拝する』んだな」
父親「そうだ、『礼拝』する」
レポーター「ラサにはどのくらい滞在する予定?」
父親「あ?」
レポーター「ラサでどれくらい過ごす予定? そうか、3日か。予想ではラサにはあとどれくらいで着く予定?」
父親「いまはー……あー、10日ちょっとだろう、多くても」
レポーター「十数日か、そうか」
父親「そうだ、十数日だ」
レポーター「既に70日くらい歩いてるんだな、リタンから出発して」
父親「おーや(そうだ)」
レポーター「あ~」(荷車の小さな子どもが手を振って「タシデレェ」)「タシデレ」(おっさんが「ニーハオ」)(激しく車のクラクション)
レポーター「歩き続けて2カ月あまり、あと10日ほどでラサに着きます。前方にはまだ標高5020メートルの『ミーヤー峠』を越えなくてはなりません」「ようやく到着してたった3日間の礼拝」(「タシデレ」と声が掛かる)「タシデレ」(後方から巡礼の隊列の荷物を映す。巡礼者の歌声がマイクに入る)(でかい音で中国語の歌がかぶさる。五体投地の老女)
老女「リタン」
レポーター「じゃあ2カ月ちょっと歩いてきたのか」
老女「3カ月ちょっと」
レポーター「3カ月以上歩いているのか、もう」
レポーター「彼らは3カ月以上も旅の途上に身を置いている」
(場面変わり、ラサ)(ポタラ宮の前)
レポーター「私は今、ポタラ宮の前にいます」(舗装された道路の端でチベット人が五体投地を繰り返している)
レポーター「私の前には聖地に礼拝し祝福を求める人たちがいます」「彼らはまず時計回りにポタラ宮の周囲を回るのです」(五体投地する人)(終わり)
以下、映像に寄せられたコメント。
1. 神聖だ!
2. イイネ! イイネ! イイネ!
3. まったく五体投地には感心するよ!
4. イイネ! イイネ! イイネ! イイネ!
5. イイネ! イイネ! イイネ! イイネ!
6. イイネ! イイネ! イイネ!
7. ひどい盲信だ。彼らは一生で3回しか風呂に入らない。これだけは尊敬できる
8. なむあみだぶつ!南無観世音菩薩!
9. 功徳を積む喜びを。南無阿弥陀仏!
10. タシデレ
11. タシデレ
12. タシデレ、ナンマイダ
13. 信仰は信仰に帰すよ でも風呂には入るべきだろうな
14. イイネ! タシデレ
15. 信仰心の大きさ
16. あまりに忠誠を尽くしてる。信仰心の深さは人を感動させるね
17. (涙にむせぶ絵文字)
18. 誰が撮影したかしらないけど、息も絶え絶えだね! たぶん標高がだいぶ高いんだろうね!
19. >>18
……私は車に乗りながら撮影したんだ……
20. こんな一生を送ったら、人類の発展には何一つ貢献しないね
21. >>20
くだらないことを。中国に貢献しなくても、ほかにすべきことはあるだろ。撮影者に感謝するよ。(イイネ!)
22. 中国全土でも最も純粋無垢な地域だろうな、、
23. ここの人たちはなんて素朴なんだろう。
24. 無知蒙昧
25. 神や悪魔を信じない私でも、これほど純朴な人たちの姿には本当に感動させられたよ(胸をドキドキさせている絵文字)
26. 大学院まで勉強したけど、私はなぜだか神や悪魔はいると思えるな。神や悪魔のいる世界もある、と感じてしまう。ハハ、私も無知蒙昧なんだろうな。
27. >>21
すぐ一つ前のコメントを止めてくれてるけど、あなたのコメントが本当に世の中に必要なことかね! まったく、あなたみたいに物の道理が分からない人がいるから中国からは各種の差別がなくならないんだ!
28. >>21
あんたの存在こそ中国に何の貢献もしてないんだよ!
29. 個人的には……一つの国家の人民はやはり、多少の信仰に基づくモラルと道徳規範と礼儀を持ち合わせるべきだと思う。貪欲さは報いを受けると信じてる。善行を積むべきだよ!!
30. (冷や汗を流してる絵文字)でも、彼らの偉大な活 仏 ダ ライ は亡命し 第二位の活 仏 パン チェン の生まれ変わりは 彼らチベット人の多くには受け入れられていない
※検閲削除を避けるため文字と文字の間に空白がはいっている
31. 信仰は人類の発展になんら貢献せず、彼らは無知蒙昧だって書いてる人がいるけど 聞きたいんだが 貢献していないのは誰? 蒙昧なのは誰? あなたがたは既に知ってるでしょ 永遠に変わらないものなんてありえない 人類に信仰心がなかったら とっくに滅亡していたでしょう かわいそうな人たち
32. チベットは神秘的な場所だ。第二次世界大戦ではヒットラーも目をつけて、部隊を派遣して研究していた。中国が解放してからは国家分裂問題を起こして世界中の注目を集めている。
33. >>13
水がないんだよ
34. どんなにつらくても、彼らには喜びがある。それが満ち足りているってことだ!
35. 私には彼らが騙されているようにしか思えない。あんなに険しい道を、疲れるでしょ? もし本当に神が存在するなら、あんな様子を見れば心を痛めるはずでしょ? ひざまずいて祈りを捧げる人たちを守ることができるはずじゃない。本当の神様なら、あんなふうに1人1人巡礼して拝ませるようなことを求めないで、人間らしい自分の生活を大切にしろって、、
36. >>26
世界には何でも起こりえるし、疑ってかかることも必要。ただし最も大切なのは自分の生活をよりよく過ごすことで、自分の生活が過ごしやすくなかったら、信仰なんて誰にも必要とされない。
37. >>29
この映像の人たちは私には貪欲に思えるけど。だって2カ月も歩いて、たぶん1年分の蓄えも使い果たして、子どものことも考えないで。
38. >>37
彼らの子どもたちはそんなこと気にしてないと思うけどな。だって両親と同じ信仰を持ってるんだし……
39. 珍しいの?
40. ナムアミダブツ!
41. 精神の支えだ。(イイネ! イイネ! イイネ!)
42. 見聞が狭くなんでも珍しがる奴の典型だな。あんたが見たことのないものなんて世の中にあふれてるんだよ! 何が「衝撃!」だ。こんなのが衝撃だったらあんた衝撃で死ねるよ。
43. 信仰があるというのは一つの幸福だと思う
44. チベット人同胞はほんとに素朴で、見ず知らずのカメラマンにも「タシデレ」と挨拶してくれてる あの山のように心の広い人たち 彼らに限りない祝福がありますように
45. 現代社会のせわしなさ、落ち着かなさの原因は信仰心の欠如だと思う もし小中学生の教科書に仏教学か道徳を加えれば、納税者の税金を使って公共利益を喧伝する必要はなくなると思う 現代社会の変化は早い 指導者らの私利私欲がもたらしたものだ
46. 私は、信仰心があるのは良いことだと思う。ただし、少なくとも、人に良いことを勧め、よく勉強する習慣を教える必要はあるだろう。こんな風に、学校に通わず、働くこともせず(直訳:畑を耕しもせず)に半年もほっつき歩かせるようでは(もちろん彼らはほかの人たちより信仰熱心なんだろうけど)、邪教と変わりないんじゃないかと思う。
47. 人間に本当に必要なものは信仰心だ。信仰心を持たない人間は生ける屍のようなものだ。
48. 格好を見ると徒歩でラサ巡礼をしているんだろうな。私は今年9月に川蔵線(四川―チベット路線)をドライブした。頭を打ちつけてる(※五体投地してる)人がたくさんたくさん。
49. 信仰心があるのはいいね
50. 見た感じ、彼らは本当にいいね。オレ達のいわゆる「裕福な」場所なんて、モラルのかけらもないし、信仰心もないから物欲が横行してひどいもんだよ
51.見たところオレ達のほうがまさに野獣だな
52. 吉祥如意
53. 信仰心のある人と金を持っているだけの人を一緒にすると、まさに違いを見抜くことができるよ。西洋人は幼いころからキリスト教の教育を受けている。道理で西側諸国は文明国家ともいえるわけだよ。
54. 信仰心の大きさ。彼らを尊敬する。
55. 宗教を信じるかどうかは別にしても、人間は何か信じるものは必要だ。そうでなければ、生きることに何の意味があるのか?
56. 風呂? ハハハ……、清潔か不潔かでいえば彼らはあんたたちに比べるまでもないけど、彼らの心根、魂は…あんたらの百倍澄んでるよ……
57. >>46
あんたに何が分かる? あてずっぽうでいいかげんなことを言うなよ。誰が「学校に通わせず、畑も耕さない」なんて言った? 毎年こんなことをしてると思ってるのか? 彼らは何年ごしに待ち焦がれてようやく巡礼できるんだ。。
58. >>35
あんたは誤解してる。五体投地は神に庇護を求めるものじゃない。それはあんたらの浅はかな考え方だ。五体投地は自分の信仰心そのものを神に示すもの。彼らが数百元の交通費くらい持ってないわけないだろ。それをなんで徒歩で巡礼するか考えろ。信仰の厚さを示すためだろ。一生に一度、聖地を訪ねて参拝するのは、信仰が育んできた小さな小さな望みなんだ。70日間もかけて歩きとおし、ようやく長年の願いがかなう。あなたが想像するほど、人類が自分で自分を食べさせていくのは難しいことじゃない。信仰があれば、人の心に巣くう悪魔は抑えられるんだ。。。
59. >>28
あんたこそ、信仰を持たない悪魔だ。「あんたの存在こそ中国に何の貢献もしてないよ」というのは正しい。あんたらは機会をうかがって、あんたのような人たちが機会さえあれば世界を混乱に陥れようとしてるんだ。
60. >>20
あんたのように信仰のないヤツは人類に損害を与えるだけの存在だ。生きていたって、土の中に埋められたゴミのようなものでしかない。
61. >>7
あんたこそ無知だからそんなことを信じるしかないんだよ
62. >>37
あんた自身のことをちゃんとやれよ
63. >>46
学校に行かせない? 働かない? ハ、こんな巡礼の動画を一つ見ただけで、どこからそんな情報が分かるのか、感心するね。それに、邪教と同じようなものだって? あんたが何を分かってるんだ? 仏教が人に勉強をさせないだって? 仏教が人を働かせないだって? あんたのコメントを読んだ奴からそれだけ笑われてよく平気だな。よくもまあ、それだけ意味も理解しないまま、字だけ打ち込むことができるな! 半分水が入ってチャプチャプいってるだけの脳みそで、よくも訳の分からない論評ができるもんだ。ヒマでヒマで罵る相手を探してるだけなんだろ、違うか?
64. >>63
レス先を間違えた。63のレスは47が返信している相手へのレス
65. >>46
信仰心がないってかわいそうだね!
66. >>65
あんたこそ、どうして彼らが学校をサボらせてないって分かる? どうやってちゃんと働いているって知ったんだ? いいかげんにしろよ!
67. >>66
レス番違い 46が返信してる相手に言いたかった ごめん 許して
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)