チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2010年8月22日

地球温暖化の結果

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ed12b5a8.jpg今日は朝から晴れ間が見られ、ほぼ一カ月ぶりに昼過ぎまで良い天気だった。
鳥も久しぶりに沢山見られた。
であったが、今はまた雷を伴った嵐。
家はひどい雨漏り。

今日はまず、盟友野田雅也氏の写真展や講演の紹介をさせてもらい、その後少々天候の話をするつもり。

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まず、9月4日に大船で小さな「チベット写真展」を開くそうだ。
http://soto-zen.net/yume/contact/

次の9月5日にはSFTJ主催の「MELTDOWN IN TIBET 」上映会で講演だと。

http://www.sftjapan.org/nihongo:meltdownintibet

日時 9月5日(日)開場14:00 開演14:30

会場 JICA地球ひろば 3F 講堂(東京都渋谷区広尾4-2-24 )東京メトロ日比谷線広尾駅 徒歩1分

参加費 500円(学生無料)予約不要

ゲスト 野田雅也さん(フォトジャーナリスト)

お問い合わせ meltdown@sftjapan.org

主催 Students for a Free Tibet Japan

協賛 JICA地球ひろば

9月13日~18日には

横浜市民センターで開催される「チベット 大自然展」
難民の子どもたちの絵、チベット伝統医が描いた絵画、そして写真を展示するそうだ。

皆さん彼の写真や話しはきっとためになると思うので是非参加してみて下さい。

本人、本当は世界中至る所で気候変動による大災害が起きている今こそ取材のために外に出掛けたいそうだが、、、、

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ダラムサラにいると、色んな国のテレビを見ることができる。
インドはもちろんだが、ここにいるチベット人のために中国からはラサテレビ、四川テレビ、青海テレビが用意されている。
その他のチベット語放送としてはRFA(音声のみ),VOA,亡命政府テレビがある。
ネパールやブータンのテレビも入る。
もちろん、BBC,CNNもある。

今、テレビを点ければどこも洪水の映像ばかり流れてる。
インドではレーの話は終り、今はデリーのヤムナ川氾濫やビハールの干ばつの話が流れる。
中国は四川テレビを中心に至る所で洪水、というか救助活動が行われている映像が流れる。
BBCではパキスタンの洪水被害を中心に、ロシアの火災、中国の洪水、北朝鮮の洪水の映像が途切れなく流れる。
考えてみれば、ほとんどアジアばかりだし、干ばつ、熱害もあるが、どうしても世界中が水浸しになっていくように感じてしまう。
何かが確かに狂い始めたと感じる。

BBCではこれらの異常気象を解説するに、北半球のジェット気流異常蛇行図を示す。
それによれば、ジェット気流がまず北アフリカ辺りからロシアのモスクワ辺りにかけて上昇し、その後イランからインド洋に下がる。
そこからチベット高気圧に引き寄せられインダス川上空をパキスタンの北に向かって流れる。
次に中国西部を下り、日本に向け上昇する。

一般にジェット気流のうねりによってできる山の中は高温・乾燥地帯となり、谷の中は低温・雨となる。
うねりは常に起こるが、今年の夏のうねりはこの山と谷が深いことが特徴だ。

よって、普段到達しないはずの乾燥した熱気がロシアを襲い、火災と煙害が人や家畜、鳥などを大勢殺した。
普段より西寄りとなった気流がモンスーンの低層気流を巻き込みパキスタンやこの辺りのインドを襲った。
チベットの西と中央、インドの東は山の中となり例年になく乾燥し、干ばつも起こった。
次の谷間に入った中国は洪水。日本は猛暑というわけだ。

で、この強いうねりの原因は?
地球温暖化によると説明する学者が多い。
温暖化による洪水と干ばつの多発はかねてより予測されており、計算通りというわけだ。
ま、チベットを中心とする詳しい話は野田くんにまかせるから、興味のある方は彼の講義を聞きに行ってほしい。

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ラダックのレーには数日前から亡命政府内務省の次官が現地入りし、被害の状況とこれからの支援についての話合いが始まった。
彼の話によれば、現在ダラックの犠牲者の数は約300人、行方不明400人。行方不明者はほぼ全員泥の中に埋まったものと見られ、絶望視されているという。

ドゥクチュ(舟曲)の方は現在、犠牲者数1434人、行方不明者数331人という。
http://japanese.cri.cn/881/2010/08/21/162s162596.htm

8月19日付けレコードチャイナには:
<チベット高原の湖水面積が急拡大、主因は氷河や永久凍土の融解か>
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=44752&type=
というニュースが出ている。

パキスタンなど国土の1/5~1/3がすでに水に浸かったという。
もう国自体終わっている。
かつてインダス文明が滅んだときと同じ状況だ。

BBCは災害に遭った人々の悲惨さを報道し、中国は救助活動のずばらしさを報道する。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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