チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2010年6月30日

「暴動は誤り」と若い僧=ラサ大昭寺「教育で矯正」

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ダライ・ラマ法王は昨日、無事ダラムサラにご帰還された。

今回の日本での活躍は、チベット人ジャーナリスト多数同行の効果で、テレビ、ラジオやネットでいつもより詳しくレポートされていたように感じた。
そのせいか、いつもよりお迎えの人出も多かったとか、、、
(私は出かけなかったので見てない)

遠くから眺めるだけだが、今回の日本訪問は、14回の中でも最高の人出を獲得した、もっとも成功した訪問と言えるのではなかろうか?

特に今回は韓国人、台湾人、モンゴル人、ロシア人などが沢山参加されたのが良かった

もっとも、これは一般人の人出の話であり、政治的にはぼちぼち状態のままだったようだ。

28日付けのパユルが、その日横浜で法王が様々なグループと会談したことを伝えるが、その日、議員9人と会ったという話は最後にちょっとだけ触れられている程度だった。
なにせ、日本は今選挙活動真っ最中ということであり、皆さんダライ・ラマ法王にわざわざ会いに横浜まで行く時間的余裕がある議員さんは少なかったはずだ。
そんな中、朝8時から9人もの議員が集まったということは、牧野さんがどれだけメンツ(じゃなくチベット)のために奔走されたかが伺える。

さて、誰が、参加したのか?枝野幹事長は含まれていたのか?
今のところ、私が知っているのは牧野聖修議員、五十嵐文彦議員、村越祐民議員の三名だけ。
だれか、全員の名前を知っている方はお知らせください。
ま、枝野さんは菅さんがサミットで留守だったはずなので、官邸張り付き状態だったことでしょう。

牧野さんよく頑張ったと思う。選挙でも小沢にいじめられる牧野さんだが、チベットのみんなが応援してるからね、負けずに頑張ってください。

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報道規制の厳しい中国で日本の新聞社も、中々書き方を工夫し頑張ってると思えた記事を以下、二つ紹介する。

一つは最近久しぶりに外国人記者に許可された、ラサ官製報道ツアーに籤で当たった時事さんの記事。産経さんも当たったと聞いたのだが、記事はまだ見ていない。

恐怖により、言わされていることがみえみえのジョカン僧侶の話と姿が悲しすぎる。

29.6.2010 Lhasa「暴動は誤り」と若い僧=ラサ大昭寺「教育で矯正」-中国

ラサ(中国チベット自治区)時事】中国チベット自治区ラサの有力寺、ジョカン寺(大昭寺)が29日、外国メディアの取材に応じた。管理所主任のラバ師は2008年3月に起きた僧侶らの大規模な暴動について「事件後、寺ではいかなる変化もない。逮捕されたり、寺を追放されたりした僧侶はおらず、教育によって矯正した」と述べ、事件後の安定を強調した。

 事件直後、同寺を訪れた外国メディアに「チベットに自由はない」と訴えた若い僧侶(27)がこの日も取材に応じ、「あの時は寺の外に出る自由がないと訴えたが、何も知らなかった。法律を学んだ今は誤りだったと悟り、後悔している。信仰の自由はある」と語った。

時事ドットコム 2010/06/29
http://www.jiji.com/

2008年に、この僧侶がメディアの前で語った話については、例えば以下のレポート参照。
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2370462/2779906

追記:ウーセルさんからの情報によれば、ジョカンで2008年にメディアの前で真実を訴えた僧侶の内2人は逮捕され行方不明になっているほか、10人近くが還俗に追い込まれたとのこと。

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ウイグル暴動まもなく1年 武装警察増 再び緊張

中国新疆ウイグル自治区ウルムチで昨年7月5日に起きた大規模暴動から間もなく1年。民族対立から暴動やテロがたびたび起きる中国の“火薬庫”は一見、平穏を取り戻したかのようだが、1年の節目が近づくにつれ街中を巡回する武装警察が増員されるなど再び緊張が高まっている。

 (中国新疆ウイグル自治区で、朝田憲祐、写真も)

 ウイグル族が人口の九割を占める自治区西部の中心都市カシュガル。記者が現地に入るや公安関係者に取り囲まれ「取材は一切、禁止だ」。街中を歩くのは認められたが二十四時間監視付き。「庶民と敏感な内容の話はするな」とくぎも刺された。国内メディアのようには統制できない外国メディアに、マイナス報道をさせないためだ。

 「カシュガルの安全を守るため」との横断幕を掲げたトラックの列が市中心部を通り掛かった。荷台には大勢の武装警察。カメラを向けると、張りついていた公安関係者がすかさず「撮るな!」。

 区都ウルムチでは、ウイグル族居住区のモスク(イスラム教礼拝所)前などに公安の詰め所が設けられ、自動小銃を持った武装警察がにらみを利かす。カシュガルから出稼ぎに来たウイグル族男性(28)は「寝ても覚めても見張られている。もう、うんざりだ」。

カシュガルで、「軍と政府、軍と民衆が団結を強め、社会と政治の安定を維持しよう」とのスローガンが書かれた看板

 自治区政府は二〇一〇年度の治安維持関係予算として、前年度比九割増の二十八億九千万元(約三百八十億円)を計上した。二十四日には爆弾テロを計画していたとしてウイグル独立派組織幹部らを拘束したと発表。民族独立派には断固たる姿勢を見せつける。

 一方でカシュガルに経済特区を設ける計画も。ウイグル族の生活水準の低さが暴動の一因とみて、雇用創出などで不満を和らげるのが狙いとされる。

 しかし、ウイグル族の経済専門家は「新疆以外から来た企業が潤うだけで、地元への恩恵はわずか。特に中国語ができない農民は仕事にありつけない」と切って捨てた。

東京新聞 2010年6月29日
http://www.tokyo-np.co.jp/

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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