チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年3月31日
ダライ・ラマ法王の写真を持っていたとして逮捕され、、
3月29日付、RFAチベット語版より。
http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/a-tibetan-detained-for-possession-dalai-lama-photo-still%20traceless%20-03292010161058.html
ダライ・ラマ法王の写真を持っていたとして逮捕されたチベット人、タシ・ソナムの行方は今も分からないままだ。
2008年チベット人が大きな平和的抗議活動を行なった時、ラサのホテルを経営していたカム、カンゼ出身の商人タシ・ソナムは取り調べを受けた。
その時、彼はダライ・ラマ法王の写真を持っていた。
中国人の警官はそれを見つけ、取り上げ、路上に投げ捨てた。
そして、タシ・ソナムに向かいその法王の写真を足で踏みにじろと命令した。
彼はその命令に従わなかったので連行されていった。
その後彼の兄弟たちは相当な金も使い彼の行方を追ったが、何の情報も得られないままであった。
ところが、最近タシ・ソナムと監獄で一緒だったという一人の中国人が出所し、彼の知るところを兄弟たちに伝えた。
彼によれば、「タシ・ソナムは武装警官隊に袋叩きにされ、その後目が見えなくなった。病院に運び込まれたがその後帰って来なかった」。
今もタシ・ソナムの親戚の者たちは彼の行方を捜し続けているが、これ以上の情報は得られていないという。
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9-10-3の会が先のITSNの会議で発表した、2008年以後の行方不明者の数は980名。
その他、2008年以降の抵抗運動の犠牲者の数は、死者219人、負傷者1268人、逮捕者6860人、
さらに、これまでに刑が確定した者のうち、3年~無期を受けた者の数は329人に昇ると報告した。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)