チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年3月28日
ジョンダで2人の僧侶逮捕/アムドの学生の追悼式/ラルン・ガルの僧侶に7年の刑
ダラムサラで今日まで3日間行なわれている「ITSN(国際チベット支援ネットワーク)アジア地区会議」に参加しているので、チベットからのニュースが入っているのを知っていたが、お知らせする時間がなかった。
とにかく、この会議、朝から夜遅くまで参加型の討論が連続するので、、、疲れるわ。
中には講演もある。まず、会議の初めには首相のサムドゥン・リンポチェのお話があった。
昨日はプログラムにはなかったが、突然法王との謁見があるというので、全員(約50名)急いでパレスに向かった。
法王は半時間ほど話された。
ま、詳しくは会議が終わってからということにして、まずチベットから入ったニュースを要訳でお知らせする。
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3月26日付パユルによれば、チベット自治区チャムド、ジョンダ県で二人の僧侶が逮捕された。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=26989&article=2+Tibetan+monks+arrested+in+Jomda+County
RFA:http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/two-monks-arrested-in-jodha-tibet-03252010221055.html
容疑は「チベット蜂起51周年記念日」に当たる3月10日の夜、政府の車に火を放ったことだとされている。
この情報は亡命政府議員であるモンラム・タルチン氏による。
3月11日、ジョンダ県警はまず、カルマ・パルデン24歳及びジガル僧院の僧侶2人を逮捕し、県の拘置所に送った。
その後ジガル僧院の僧侶2人は解放されたが、今度はゲレックと呼ばれる20歳の僧侶が逮捕され、カルマ・パルデンと共に拘留されている。
二人は拘置所で激しい拷問を受けた後、地域のチベット人たちを脅すための見せしめに、通りをパレードさせられたという。
その他Voice of Tibet Radioによれば、同じ3月10日、青海省にある、先代のパンチェン・ラマ10世が1985年に創立した僧院学校の生徒約100人が、2008年3月に始まった抵抗運動に対する中国当局の弾圧の犠牲となった者たちを追悼するための儀式を行なったという。
今のところ逮捕者は出ていないが当局はリーダーの学生を探しているところだという。
Voice of Tibet はさらに、青海省のビド僧院の(おそらく僧院付属の学校の)学生たちが2008年以降の弾圧による犠牲者を弔うために千のバター灯明供養を行なったことを伝えている。
3月25日付TCHRDリリースによれば、
http://www.tchrd.org/press/2010/pr20100325.html
四川省中級人民法院はカム、カンゼ・チベット族自治州セルタの大僧院ラルン・ガルの僧ナチュン39歳に7年の懲役刑及び1年の政治的権利剥奪を求刑した。
彼は写真にある大僧院ラルン・ガルを創建した故ケンポ・ジグメ・プンツォックの甥にあたる。
裁判は家族にも知らされることもなく秘密裏に行なわれ、判決は1月中に決定されたと言われているが正確な日付も公表されていないという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)