チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2010年3月24日

世界の知識人100人が劉暁波氏の釈放を訴える

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8f3cc488.jpg中国:全世界の著名な有識者や作家ら 劉暁波氏の釈放を訴える | Human Rights Watch
http://www.hrw.org/ja/news/2010/03/10-4

全人代開催にあたり、言論の力で政府を批判した著名知識人の釈放を
March 10, 2010

(ニューヨーク)世界中の著名な中国専門家や作家、人権活動家ら100人以上が、受刑中の中国の反体制活動家、劉暁波氏の即時無条件釈放を求める全国人民代表大会宛て書簡を本日発表した。
http://www.hrw.org/node/89009

恐れることなく中国政府への批判を続けてきた劉氏は、政治に関する論考を6本発表したこと、および、中国における法の支配と人権尊重を求める「08 憲章」を起草したことにより、2009年12月、懲役11年の刑に処せられた。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア・アドボカシー・ディレクターであるソフィー・リチャードソンは、「政府批判を理由に劉暁波氏を懲役刑に処するのは、世界における中国の評判と名声を汚すものである」と述べる。「中国政府は、劉氏を罰して見せしめにするのではなく、『08憲章』で示された問題に取り組むべきだ。」

中国の立法府である全国人民代表大会(全人代)は、年次総会を開催中であり、3,000人以上の代表が出席している。全人代には「憲法の執行を監督する」権限が法律上与えられているが、その憲法は、中国国民に「言論の自由、報道の自由、集会の自由、結社の自由、行進の自由およびデモの自由」を正式に保障している。

劉氏は、2009年12月、「国家権力を転覆し、社会主義体制の転覆を扇動した」として、法廷で懲役11年の判決を受けたが、その判決前に作成された声明で、劉氏は、正義と民主主義という普遍的な理念への自らの信念について改めて述べていた。

同氏は、その声明で、「私は、これまでの自分の活動が正当なものであり、中国がいつか自由で民主的な国になると信じる。」と述べた。「我々の同胞は、恐怖から解放され、自由の光を浴びることとなるだろう。この方向へと進むために、今、私は代償を支払っているが、何も後悔するところはない。 独立した知識人が自由を求めて独裁的国家に立ち向かえば、しばしば刑務所に投獄されることは、ずっとわかっていたことである。しかし投獄は自由への一歩である。今、私はその道を選んだのである。真の自由は近づいている。」

2010年1月、ノーベル賞受賞者であるヴァーツラフ・ハベル氏、ダライ・ラマ氏、デズモンド・ツツ氏らなどの著名な個人からなるグループが、劉氏を同年のノーベル平和賞に推薦している。
http://www.hrw.org/ja/news/2010/03/10-4

政府批判を理由に劉暁波氏を懲役刑に処するのは、世界における中国の評判と名声を汚すものである。中国政府は、劉氏を罰して見せしめにするのではなく、『08憲章』で示された問題に取り組むべきだ。

ソフィー・リチャードソン、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア・アドボカシー・ディレクター

Related Materials:

Letter from the Consortium for Liu Xiaobo to NPC Chairman Wu Bangguo
http://www.hrw.org/ja/news/2010/03/09/letter-consortium-liu-xiaobo-npc-chairman-wu-bangguo

Letter from the Consortium for the Release of Liu Xiaobo to China’s President Hu Jintao
http://www.hrw.org/ja/news/2008/12/22/letter-consortium-release-liu-xiaobo-chinas-president-hu-jintao

China: Nobel Laureates, China Scholars Call for Liu Xiaobo’s Release
http://www.hrw.org/ja/news/2008/12/23/china-nobel-laureates-china-scholars-call-liu-xiaobo-s-release

————————————————————

英語原文には100人の知識人がすべてリストアップされている。
目立って多いのはスランスとアメリカの大学教授だ。
100人中、日本からはたったの三人、そのうち一人は中国人と思われるので日本人はお二人のみ。日本の学界の人権への関心度が知れるというものだ。
以下、その3人の学者さんを紹介します。

Willy Lam
Professor of Chinese Studies
Akita International University
Japan

Setsuo Miyazawa
Professor
Aoyama Gakuin University Law School
Japan

Satoru Shinomiya
Professor
Kokugakuin University Law School
Japan

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さっき、最近放映が始まったばかりのチベットテレビで法王が先週17日にインドのボパールで開かれた ”Human Rights Through Universal Responsibility” と題された会議において基調演説をされたときの映像が流れていた。

これは以下のURLにアクセスすればすぐに見れるし、聞けるのです。
法王はゆっくりと簡単な英語で話されているので是非お聞きください。

http://dalailama.com/webcasts/post/92-human-rights-through-universal-responsibility/2498

法王は最後に:
態度を変えればーー>内に力が湧きーー>自信が持てるーー>正直で何も隠すことのない透明性を得るーー>それにより信頼が生まれーー>幸せな社会が築かれる。
金だけじゃない。

と中国へのアドバイスをされました。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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