チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年1月31日
チベット人歌手タシ・ドゥンドゥップの刑期確定
チベット人歌手に「国家分裂をもくろむ歌」を作曲したとして1年を超える刑
http://phayul.com/news/article.aspx?id=26498&article=Tibetan+singer+sentenced+to+over+a+year’s+imprisonment+for+%22subversive+songs%22
ダラムサラ、1月30日パユル(抄訳):
マロ・チベット人自治県、ソッポ・モンゴル自治郡(Sogpo Mongol Autonomous County, Malho Tibet Autonomous Prefecture)の裁判所は「国家分裂をもくろむ歌」を含む音楽アルバムを制作したとして、一人のチベット人歌手に1年7カ月の刑期を言い渡した。
タシ・ドゥンドゥップは昨年12月3日、潜伏中の西寧のレストランで逮捕された。
当局が去年11月、「証拠を残さぬ拷問」とタイトルされた彼の新しいアルバムを発禁にして以来、彼は身を隠していた。
13曲で構成されるアルバムの中で彼は、亡命中のチベット人リーダー、ダライ・ラマ法王に対する思慕や2008年3月の中国当局による弾圧について歌った。
タシは2008年9月にも一度逮捕されている。これは彼がラサ蜂起と法王のインド脱出について歌った「1959年」と題された歌が「反革命的内容を含む」と糾弾されたからだ。
彼はこの時、西寧の警察所に拘留され、7日間拷問を受けたとICTは報告している。
タシはアムドでは人気のスターだ。彼の新しいアルバムCDは10月に発売されると一カ月の間に5000枚売れたという。
チベットの農家出身の音楽家。二カ月前に結婚したが、すぐに逃亡生活を余儀なくされ、間もなく逮捕された。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)