チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年12月18日
テンジン・デレック・リンポチェの解放を求める直訴状
左の手印状はウーセルさんの12月9日付ブログで紹介されたテンジン・デレック・リンポチェの解放を求める直訴状です。
これは今年7月15日にナクチュカ(ナチュカ)地区のチベット人たちにより作成され当局に提出されたものです。
ウーセルさんはこの直訴状の漢語訳をブログに載せられています。
http://woeser.middle-way.net/2009/12/blog-post_9787.html
英語訳が以下二か所に載っています。
http://www.highpeakspureearth.com/2009/12/from-woesers-blog-people-of-yajiang-in.html
http://www.tchrd.org/press/2009/pr20091211.html
リンポチェを心より慕う地域の人々がまさに命を掛けて何とかリンポチェを解放しようとしてきたことが解ります。
直訴状にはリンポチェの無実を訴え、解放を懇願する地域のチベット人たちの切実な思いが現れています。
この手印ははたして血を使ったものか、朱肉を使ったものか?
どちらにせよ、名前を明かすことには相当の覚悟がいるはずです。
12月5日、ナクチュカ政府庁舎前で始まった地域のチベット人約100人によるリンポチェ解放要求の座り込みは、逮捕者を出しながらも11日まではまだ続いていたとの情報(TCHRD)があります。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)