チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2009年11月19日

チベットは中国の一部なのか、中華人民共和国の一部なのか?

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トリウンド 19.11.09今日は久しぶりに快晴だった。
そこで白い山の前のトリウンドまで久しぶりに歩いた。
3000m弱。マクロード・ガンジから3時間。
鳥も新種をゲット!

日本で言えば、上高地から穂高に登ったと言ったところだが、ここではその後ろの山がメインなので、ここはほんの丘です。

Moon peak 4810mムーン・ピーク4810m
かつて吹雪の中この頂上に竹の杖とシバの三又で登ったが、日が暮れ、止むなく寝袋だけで岩陰に眠った。雪に埋もれながらも目が覚めて、生きてたことを仏に感謝したものだった。

ところで、さっきオバマ大統領の中国訪問に関する日本の記事を見ていて、
どうしても気になることが一つだけあった。

例えば以下の記事
<中国各紙、米中首脳会談「ダライ対話」言及報じず - MSN産経ニュース>

http://sankei.jp.msn.com/world/china/091118/chn0911181746001-n1.htm

2009.11.18 17:46

 18日付の主な中国各紙は、17日に行われた胡錦濤国家主席とオバマ米大統領の会談内容を1面トップで大きく報じたが、オバマ氏が胡氏との共同記者会見でチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世側と中国政府の対話再開について言及したことについては報じなかった。

 オバマ氏は共同記者会見で、チベット自治区は中国の一部と認めた上で、中国政府とダライ・ラマ14世の代表との早期の対話再開を支持すると発言した。

 各紙は「米国はチベットが中国の領土の一部であると認める」とした、中国の主張に沿う部分のオバマ氏の発言を紹介するなどしたが、対話再開部分には触れていない。

 会見の一部始終は国営、中国中央テレビで生中継された。(共同)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

例えばこの記事で気になるというのは「米国はチベットが中国の領土の一部であると認める」の部分。

この部分オバマ氏の発言原文は:
“We did note that while we recognize that Tibet is part of the People’s Republic of China, the United States supports the early resumption of dialogue between the Chinese government and representatives of the Dalai Lama to resolve any concerns and differences that the two sides may have. 、、

太字部分を日本語に訳すと「チベットは中華人民共和国の一部であると認めるが、、、」であり、「Tibet is part of “China”=チベットは中国の一部」と言ってない。

この二つに違いがあると私は思う。

オバマ氏は「中国の一部」と言わず「中華人民共和国の一部」ということにより、
中国の「1950年以前からチベットは中国の一部であった」という主張を排除しているのだ。

私は確かにそう思うが、日本の各紙は「チベットは中国の一部」とオバマ氏は言った、と書いている。
なぜでしょう?
不注意なのか?意図的なのか?

クリスマス・ピーク 4850mクリスマス・ピーク 4850m

おまけです。

<オバマ発言 つまみ食い 中国メディア 評価や賛辞を速報 人権問題は触れず / 西日本新聞 >

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/135371

2009年11月19日 09:04

 【北京・椛島滋】中国メディアは、18日まで4日間、中国に滞在し、胡錦濤国家主席、温家宝首相らと会談したオバマ米大統領の動静を連日、大々的に報道した。だが、大統領発言のうち、世界経済における中国の役割を評価した部分などは詳報しても、人権問題やチベット問題について触れた大統領発言はほとんど取り上げず、いいとこ取りの報道姿勢が目立った。

 上海で16日に行われたオバマ氏と学生との対話集会では、国営通信社の新華社が「中国の発展に感動した」「米国は中国への理解を深めるべきだ」とのオバマ氏の発言を速報。17日の新聞各紙も写真付きで1面に掲載した。しかし、オバマ氏が人権問題の改善を促したことには触れないままだった。

 17日の胡主席との共同記者会見での発言に関する新聞報道も同様で、オバマ氏がチベット問題で「チベットは中国の一部」と発言したことは取り上げたが、その後に「(チベット仏教最高指導者の)ダライ・ラマ14世側との早期の対話再開を支持する」と、中国政府に対話再開を促した部分は伝えていない。

 オバマ氏は北京で故宮博物院や万里の長城を見学し、18日夜に最後の訪問地の韓国に到着した。今回のオバマ氏のアジア歴訪で、中国での滞在期間が一番長いこともあり、中国メディアは「オバマ大統領がいかに中国を重視しているかの表れだ」などと報じている。

=2009/11/19付 西日本新聞朝刊=

マッターホルン 4906mダラムサラ・マッターホルン 4906m
ヨーロッパにある本物のマッターホルンの高さはたったの4478m、こちらの方がよほど高い。
近いうちに登る予定だ?

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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