チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年9月11日
デブン僧侶が拷問死
以下、9月10日付、TCHRD(チベット人権民主センター)プレスリリースの訳。
http://www.tchrd.org/press/2009/pr20090910.html
<中国当局により拘留中のチベット人僧侶一人・拷問死>
TCHRDに本日(9月10日)寄せられた信頼できる情報によれば、ラサの拘置所に収監されていたデブン僧院僧侶一人が今年8月中に拷問により死亡した。
僧侶の名はカルデン、32歳、自治区ラサ市ペンボ・ルンドゥップ地区ツォドゥ町8番村出身。
2008年3月10日僧カルデンは他のデブン僧侶300人と共に行進に参加した。
その行進はラサ中心街で中国政府に対する抗議を行う目的で僧院を出発した。
しかし、行進は途中中国の保安部隊に阻止され、僧侶たちは逮捕された。
彼もその内の一人だった。
その日から今まで、彼の行方は誰も知らなかった。親戚の者やデブン僧院の僧侶たちにも彼がラサで拘留中であることは知らされていなかった。
複数の情報により彼が拘置所で8月中旬、長期にわたる監禁、拷問、不適切な治療の結果死亡したことが判明した。亡骸が2009年8月中旬ラサに住む彼の遠い親戚に引き渡された。
同じ情報筋によれば彼の兄であるデブン僧院僧侶サンドゥップも同じく2008年3月10日に逮捕され、その後行方不明だという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)