チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年9月1日
セルシュルで抗議行動を起こしたとして未成年2人を含む20人逮捕
法王は台湾で中国の子供のような嫌がらせも笑い飛ばし、「タライラマ帰れ!」のデモに対しても「私はこれが大好きだ。民主主義が実践されている証拠だ」と余裕を見せ、ちゃんと一万人を超える聴衆に囲まれ祈りと幸せになるためのお話をされました。
もう、訳さないと言いながら、つい訳してしまいました。
子供が歌を歌ったと言って逮捕してどうしようというのでしょうか!?
phayul.ダラムサラ8月31日:
Voice of Tibet radioの伝えるところによれば、
四川省カンゼ・チベット族自治州セルシュル地区当局は先週8月27日と28日に起こった反中国抗議活動に参加した2人の未成年者を含む20人のチベット人を逮捕したという。
セラ僧院ジャデル学堂ソナム・ダクパ氏がVTに語ったところによれば、ザカイ町ツァクツァにあるタシ・ゲペル・リン僧院の新堂落成式の前夜(8月27日)、一団のチベット人が中国国旗を引き下ろし、千切り捨てた。
8月28日、落成式当日、会場には地域のチベット人たちが1000人以上集まっていた。
その時、数人のチベット人たちがダライ・ラマ法王を讃える歌や政治的に禁止されている歌を歌った。
ソナムは電話で「彼らは千切れた中国国旗の切れ端の上に<チベット独立>とか、他のプロ・チベッタン・スローガンを書きなぐり、代わりにチベットの国旗を掲揚したと、私は聞いた」という。
その日当局は誰も逮捕しなかった。しかし、調査を始め、次の日29日から容疑者を狩り始めた。
タルシュル出身の14歳のダムチュと、その10歳になる弟ソナム・ユンテンは他の者たちと共にダライ・ラマを讃える歌を歌ったとして逮捕された。
この他、この中国国旗を破り捨て歌を歌ったという事件で逮捕されたチベット人はツァクツァ僧院のデチェン・ティンレイ・リンポチェ、戒律師タンボ、ヤガ、ダワ、ネメル、ロヤ、ティンレ、ニマ、ダヤン、ツポ、ソナム、タルシャン、セバ他ツァクツァ村とタルシュル村出身の6人だ。
現在同地区には如何なる抗議の印も許さないために大量の保安部隊が送り込まれ、緊張が高まっているという。ソナムによれば「20台の軍隊のトラックが目撃され、今現在非常な緊張状態にある」という。
逮捕された者たちは現在セルシュルの刑務所に拘留されている。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)