チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年7月8日
ジャミヤン・ノルブと街で立ち話
中国はウルムチに何万人もの軍隊、警官隊、武装警官隊、デモ鎮圧隊を投入して、街を戦争時のように占拠しています。
四川放送などでは、わざとらしく大軍の行列を見せつけた後、ウルムチ大学の学生や先生、町のウイグル人たちから「中国政府は素晴らしい。中国に逆らうのは意味がない」と言うような意味のインタビューを取って流しています。
病院で手当を受ける幼い中国人の女の子を取材したりして、中国人の被害を強調する内容が中心です。
ラサではデモの直後に逮捕されたチベット人の数は数千人に達したといわれる。
それにしては今回逮捕1400人というのは少ない方です。
もっともすべて新華社発表ですし、この二日間死者数も更新されず、まるで信用できませんが。
デモに参加した者を見つけ出すためもあるでしょうが、結局、尋問中に拷問を加え、恐怖に訴えて以後の反抗を抑えようという政策です。
これまでも、今も、これから先も多くのウイグル人たちがチベット人たちのように拷問を受けることでしょう。
中国人は恐怖政治、洗脳政策しか思いつかないのでしょうか?
もちろん少数のまともな人もいらっしゃいますが。
街角でジャミヤン・ノルブ氏に偶然遭遇。アメリカから一か月の予定でダラムサラに来ているとのこと。
特に、今回は二人の娘をTCVとユンリン幼稚園に一か月だけ、体験入学させることが目的とか。
アメリカの話とか、お互いの家族の消息とかについて話した後、「ところで、今回のウルムチの蜂起についてのコメントは?」と聞いた。
「おお、すばらしいことだ!Revolutionだ!チベットもレボルーションだ。みんな本当に勇気がある。まともな人はみんな支持すべきだ。チベット人はもっと連帯すべきだ。北朝鮮を見ろ、ビルマもそうだ。中国はこれらの国を使って特に日本や韓国の政治的力を落とそうとしている。
アメリカだって、日本だって中国の人権状況は良く知ってる、ただ中国は今強いから、遠慮して、怖がって何も言わないだけだ。その意味では法王もサンドン・リンポチェも一緒だ。
もっとはっきり言うべきだ。スピリットが大切だ。胸を張って生きていくべきだ」
とおっしゃっていました。
写真二枚はパユルから、三枚目はウーセルさんのブログからです。
最後に日本での抗議デモのお知らせです。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)