チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2009年7月1日
デルゲ、ジョダ地区で村人と当局が衝突、発砲、拘束、拷問
左の写真は昨日のパユルに載っていたものです。
カム、デルゲの近くの谷の奥にある古い寺とそのあたりの住民です。
この寺はあまりに人里離れた奥地にあったので文革時の破壊を奇跡的に免れたそうです。
その形体もユニークですが、中には270年前の素晴らしい壁画が残されているそうです。詳しくは以下の英文へ
http://phayul.com/news/article.aspx?id=25028&article=TIBET%3a+Journey+of+discovery
しかし、その辺りはランタンのように平和では、全くないようです。
<カム、デルゲ県ジョダ地区にて住民と軍隊が衝突、発砲、拘束、拷問>
6月30日RFAによれば:
http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/high-security-in-derge-06302009223352.html
ジョダ地区ペマ村とネド村のゴンパであるタクルン・ゴンパにはこの一か月僧侶が一人もいない状態が続いていた。
これに対し当局は村の責任者たちに早くゴンパに僧侶を返すようにと、何度も要求していたが、誰も言い付けに従う者はいなかった。
6月27日土曜日、警察は村役場の職員ギュルメ・ゴンポ氏とギェルツァン・ドルジェ氏を逮捕しキャプチェ・ゴンパに連れ去ろうとした。
その行く手を20人ほどのチベット人が阻止した。
保安部隊とチベット人は乱闘となった。
チベット人は中国の部隊に殴りかかり、警官隊は催涙弾と実弾を見境なく発砲し、多くのチベット人が銃弾で負傷したという。
現在チベット人たちは逮捕されネド村にあるキャプチェ・ゴンパで拘束されている。
情報によれば、彼らは手のひら、足の甲に釘を打ち込まれるなどの拷問を受けているという。
そのうち47歳のノルラ氏と43歳のゴンポ・ダルゲ氏の二人は中心人物と見なされジョダに送られた。
彼らが逮捕されたことを知った近隣の村人たちは、彼らを解放せよと叫びながらキャプチェ・ゴンパに押し掛けたが、ゴンパからは軍隊が銃を発砲し近づけない。
しかし、村人たちは今日(6月30日)ジョダ地区の役所にこぞって陳情に押し掛けることになっているという。
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最初にどうしてこのゴンパに僧侶がいなくなっていたのかの理由がこの記事には書かれていないので不明ですが、、、
それにしても、中国はゴンパに僧侶が多すぎると言って追いだしたり、また逆にゴンパに誰も僧侶がいないからと言って誰かにその責任を取らせたり、、、
と良く解らない行動を取るようです。
ちょっかい出さなければ何も問題はないことばかりです。
すぐに発砲するのがこの辺のやり方のようです。
それにしても、手足の甲に釘を打ち込むというのは本当でしょうか?
これ以上犠牲者がでないことを祈ります。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)