チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2009年1月22日

法王はオバマ氏に対し、経済危機に対しコメント

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fdfc278d.jpg時には私も忙しい人になることもある。
今、バンガロール発デリー行きのフライトの中でこれを書いている。
デカン高原上はほとんど雲もなく快晴。

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まずは、オバマ新大統領の就任にちなみ1月20日、法王はポンディチェリーのオーロビルにて,「オバマ氏を祝福し彼の成功を心から祈願する」と記者団に語られた。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23655&article=Dalai+Lama+Congratulates+Obama

法王はオーロビルに新しく建設された<国際チベット文化パビリオン>の開館式のためポンディチェリーをご訪問されていた。

これに先立ち法王は11月オバマ氏に宛てた手紙の中で、、、(再掲)
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/2008-11.html?p=2#20081106
「アメリカ市民が、アメリカの多様性と誰でも最高の地位に昇り詰めることができるという基本理念を体現した人物を選んだことに、私は勇気付けられた」
「アメリカの大統領選挙はいつも、世界中の民主主義、自由そして機会均等の原則を信じる人々を勇気付ける大きな源泉である」と語り、

キャンペーン中に示した、彼の「決意と正義感に基ずく勇気」、チャレンジを受けた時の「優しさと冷静さ」を讃えた。

今年春の電話会談のことを思い出しながら、「これらのあなたの根本的特質はチベットの現状へのお心遣いにも現わされていた」とコメントし、

アメリカ合衆国の大統領として、あなたはもちろんこれから大きな責任と困難に立ち向かわなければならないことでしょう。しかし一方で、今もなお人間としての基本的最低の要求のために戦い続ける何百万人もの人生に変化を創り出すことのできるであろう、多くの機会を持つことでしょう。どこに居ようと、そのような人々のことを忘れず、そのような人々のために働かれますように」
と訓戒された。

法王とオバマ氏は2005年に出会っている。

キャンペーン真っ最中の7月にもオバマ氏は個人的手紙を法王に送り
私は引き続き法王とチベット人の権利を支持する。あらゆる宗教に所属する人々が法王の行動とその理念を称賛している」と語り、
法王に至上の敬愛を示し、チベット人たちの正義と自由の戦いを支持することを表明している。

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次に、法王サイトに載ってた法王の今回の経済危機に関するコメント。
http://www.dalailama.com/news.335.htm

<経済危機は際限のない強欲の結果だ、と法王>

1月16日法王はサルナートにて「世界経済の破綻の主原因は人々の際限のない強欲にある」と語られた。

記者会見の席上、法王は「私は経済専門家ではないが、、、市場というものは人間の作り出したものなのに今、それが人間の力でコントロールできない状態になっているということを普通の人は理解できないでいる。
私の思うに、経済危機は人間の際限のない強欲と隠蔽と嘘の結果だ。
これらの要因により経済はほぼ崩壊しかかっている。

精神世界は満足と誠実さ、真理と道徳性を説く。

こんような状況は世界がもっと寛容と精神性を備えていれば起こらないであろう。
このような時、メディアも大事な役割を担うと思う。
メディアはあたかも、もう希望は無いかの如くに大袈裟に書き立てるが、<YES>、希望はあるのだ、将来はあるのだ。
メディアはもっと世界を肯定的に形創る役割を担うべきだ」
と語られた。

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今、デリー空港の中、これからカトマンドゥに向かいます。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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