チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年12月23日

世界のノーベル賞受賞者、学者、作家が胡錦涛に手紙、カンゼ刑期確定

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9983f1cd.jpg<世界のノーベル賞受賞者、学者、作家が中国の反体制派の釈放を要求する>

23日付phayul.com、
http://phayul.com/news/article.aspx?id=23479&article=Nobel+Leaureates%2c+Intellectuals%2c+Writers+Call+for+Chinese+Dissident’s+Release12月23日、世界中の作家、学者、法律家、人権活動家が胡錦涛国家主席宛に拘束中の作家劉暁波氏の即時無条件解放を要求する手紙を送った。

「中国国家主席胡錦涛氏、あなたは国家主席として自身しばしば中国の法システムの強化を約束されています。
特に最近<法治は調和社会の実現、促進、安全のために重要なことだ>と発言されていらっしゃる。
だから故に、我々は社会に対する意見を平和的に表明した市民に対する市民権をあなた自身の言葉に従い守られることを要請する」

「さらに、中国中の裁判所は国家転覆罪を適用し、劉暁波氏のような平和的批判を行った者を処罰することを中止すべきだ。
劉暁波氏は速やかに無条件で解放されるべきだ」等、記されている。

1996年9月30日、劉暁波氏は江沢民主席宛にチベット人の自治権擁護及びダライ・ラマ法王との対話要求の共同嘆願書に署名したとして、3年間の労働改造キャンプ送りとなった。
彼はチベットのために声を上げ刑期を受けた最初の中国人なのだ。

この胡錦涛宛の手紙の署名者の中には中国の権威的学者、法律家、作家が含まれ、ノーベル賞受賞者としてはSalman Rushdie, Umberto Eco, Nadine Gordimer, Seamus Heaney, Carlo Ginzburg, Wole Soyinka, and Hari Kunzru.氏が名を連ねている。

ーーー

法王はこの中には入っていらっしゃらないようですが、別口で正式に何度も同様の要求をすでにされています。
日本人は、、、と思ってると、ちゃんと日本のペンクラブも声明を発表しました。

<劉暁波氏の拘束解除を要求 日本ペンクラブ>
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/206877/

日本ペンクラブ(阿刀田高会長)獄中作家・人権委員会は22日、中国の著名作家で民主活動家の劉暁波氏が拘束されたことについて、中国政府に対して速やかに同氏の拘束を解くよう求める声明を発表した。

 劉氏の拘束は、世界人権宣言の採択60周年に合わせて発表された「〇八憲章」に署名したことが理由とされており、声明は「基本的人権である表現の自由を国家が侵害しているのではないかと深く憂慮する」としている。

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クリスマスも近く、それでなくとも恐慌を前に楽しいニュースも少なく、中国は台湾にクリスマスのブラックジョークにチベットのパンダを送るし、これ以上暗い話もしたくはないのですが、、、最後は内地からの悲しいニュースです。

<さらにチベット人政治犯に実刑>

ラジオ自由アジア(RHA)及びpayul.comによれば、

http://phayul.com/news/article.aspx?id=23482&article=More+Tibetans+Being+Jailed%3a+Report

カム、カンゼ地区で先の3月18日に起ったデモに関連したチベット人を中心に、刑期が確定したという数件の情報が最近寄せられた。

一つ目の情報、
「カンゼ中級法院は二人の僧侶ウゲン・タシとテンジン・ノドゥップに3年の刑期を言い渡した。
いっしょにデモを行って逮捕された仲間のロプサンについては行方不明のままだ。
彼の家族は彼が今どこにいて、どんな健康状態かもわからず、大変心配している」とその電話は伝えていた。

二つ目の情報は
3月18日のデモに参加したペマ・デシェ、タシ・パルデン、ゴガ及びサンポの4名がそれぞれ3年の刑を受けたと伝えた。
「彼らはカンゼで拘留されている間の3か月間激しい拷問にあった。その後ニャロン県の刑務所に移され半年ほど拘留されていたが、ここでも撲打されたり、拷問されたりしている。
四人の家族はおそらく彼らはカンゼ県のダルツェド刑務所に送られるであろうと言っているが、中国の大きな刑務所に送られるかもしれない」とも語った。

三つ目の情報によれば、
「カンゼ地区では今年中に連続的に起きたデモの参加者のうち200人以上のチベット人が逮捕された。
20人ほどは解放されたがその他はまだ拘束されたままだ。
そのうちの70%はすでに長短の刑期を言い渡された」という。

四つ目の情報、
「カンゼ中級法院はカンマル僧院の僧侶シェラップに3年、ツェリン・プンツォに2年半、俗人の19歳パルデン・ワンゲルに3年の刑期を決定した。
しかし彼らの刑期は、チベット人が騒ぐのを怖がって、秘密裏に決められたのだ」という。

これらに対し、RFAがコメントを求めてダルツェドの裁判所の高官にアプローチしたところ、
高官はチベット人反乱者の処罰が進められていることを認め、
「ダルツェドの裁判所では特に重大なケースのみ審理されている。
その他のケースはカンゼ地区の其々の裁判所で扱われている」と語った。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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