チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年12月9日

法王がポーランドの大学から名誉博士号を与えられた

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ce99cfb9.jpg写真・野田雅也氏

ポーランド、クラコブ12月8日、チベットの精神的、政治的リーダー14世ダライ・ラマ法王は当地のジャギエロニアン大学Jagiellonian Universityより名誉博士号を授与された。

http://www.dalailama.com/news.320.htm
授与式はCollegium Novumと呼ばれる大学でもっとも由緒ある講堂にアカデミー関係者、様々なゲストを招いた大学理事会の席上行われた。

大学は先の2007年10月に法王への名誉博士号授与を決定していた。
授与は、法王の異文化間、異宗教間対話を促進しつつ、チベットの自由と正義のために非暴力闘争を続けるという社会的、公共的生活における、その高い道徳性に対して与えられたものだ

授与を行った、哲学部教授Beata Szymanska-Aleksandrowicz女史は、その演説において「この名誉博士号は、単にその全人生自体が真理と理想そのものである、一人の人間を認識することを表明したに止まらず、より高い道徳的規準を求め、善と真理が広まることに努力し続ける全ての無名の人々に対して与えられるものでもある」と語られた。

教授によれば、法王は、ジャン・ポール2世、カルカッタのマザー・テレサ女史等にも与えられた伝統あるこの大学の名誉博士号に名を加えられたという。

ダライ・ラマ法王は受賞式において「ポーランドは私には特別の場所だ、レッチェ・ワレサ氏と連帯運動のことを聞いてよりポーランドに関心を持ち続けてきた」

ポーランドはその歴史の中で幾度も危機を経験した。しかしポーランドの人々は不屈の心を守り続けた」と語られた。

ダライ・ラマ法王がポーランドを訪問されサルコジ大統領と会談したことは中国を怒らせ、中国は中・仏関係に圧力をかけている。これに対し法王は
しかし、はっきり言って、私がポーランドに来た目的は政治的なものではない。
ベルギーに行ったことは確かに政治的と言っても良いが、ここは違うよ
」と話された。

法王の御訪問が政治的なものでなかったにも拘らず、中国は先にリオンで開催されるはずであったEU-中国サミットをボイコットした。

平和的草の根運動と、力に依らず愛情に基ずいた教育を含む家族の価値を強調しつつ、法王は引き続き、このポーランドで1980年代に起こった<連帯>運動のような非暴力によって目的を達したことを称賛し続ける。

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http://phayul.com/news/article.aspx?id=23375&article=Dalai+Lama+says+oppression+continues+in+Tibet%3a+Report
同じ8日法王はAPに対し「チベットの状況はオリンピックが終わっても、少しも良くなっていない

[中国政府は厳しい弾圧を続けている。チベットでは今も逮捕が続いている
と語られた。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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