チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年11月29日
国際チベット支援団体特別会議一日目
会議一日目。
9時から始まり、夕方6時半まで満っちり。
慣れない英語の参加型会議に少々疲れ気味。
初めに、大臣でもあり、デリーオフィスの代表でもあるテンパ・ツェリン氏がこの会議に宛てた法王のメッセージを読み上げ、議会議長のカルマ・チュペル氏がダラムサラで行われた特別会議の報告をして、サンドゥ・リンポチェが長い演説。
その間にインドの重鎮たちのスピーチ。
休憩後にはギャリ・リンポチェが中国との会談の様子を報告し質疑応答。
昼食後には全体を三つの部会に分け、討論会。
議題はどこも一緒で、まず「チベットのための政治的支援」
次に「国連とEUへの働きかけ」でした。
私の加わった部会ではイギリス人とインド人が討論の中心でした。
「この場合の政治の定義は何か?」から始めるところがインドらしくもあり、イギリス人の実務的討論に感心し、ケニア人のインテリさにふとオバマ氏を思い出し、イタリア人の訛りの利いた英語を楽しみ、、、といったところで内容についてはあまりに多岐に渡ったので、ここですぐには報告不可能です。
牧野氏は意見を求められ発言。
「今回の会議の要点は、チベット人がこの前の特別会議で決定した要項をしっかり承認することにあると思う」
「チベット解放の前提条件は中国の民主化だ。この意味で中国の民主化組織と連帯することを第一と考える」
とおっしゃいました。
これに対しケニア人は大いなる賛同を表明しました。
このケニア人はこの前亡命政府と法王が中国に提出した「チベットの真の自治に関する覚書」の重要性を解説し、其々の政府に対し、中国の法律の枠内でチベット人はこの要求を出したにも関わらず、中国はこれを分裂主義者のたわごとと言った事実の重さを説明すべきだとおっしゃっていました。
中国の少数民族すべての状況にも当てはまる、この自治権要求の問題を否定することによって中国は自らの法律を否定したことになるわけです。
そこで日本事務所にお願いしたいことがあるのですが、、、以下に「覚書の要約」が翻訳掲載されていますが、
http://www.tibethouse.jp/news_release/2008/081116_autonomy_summary.html
できれば要約前の全文を翻訳して頂きたい。
重要な資料だからです。全体は要約では味わえない、素晴らしい内容と考えますし、初めて文書として「中道」の意味が規定されているからです。
これまで、無かったのも不思議ですが。
今日のところは簡単ですがこれで御勘弁を。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)