チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年8月18日

フランスの法王、死のハンスト第三班、チベット人女性作家

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e21b616d.jpg写真は16日ナントの講義会場から出られたところの法王(C/R REUTERS)

16日パリでダライラマ法王はフランスTF1テレビ局のインタビューに答えられた。
以下少しだけですが、
その発言から、

http://phayul.com/news/article.aspx?id=22515&article=Dalai+Lama%3a+China+mistreating+Tibetans+during+Games
残念ながらオリンピック精神はチベットにいる中国の役人には全く尊重されてはいない」

「厳しく(電話盗聴等)情報管理されている」

「チベット人たちはしばしば逮捕され、死ぬほどの拷問をうける。これは本当に大変悲しいことだ」

と話された。

法王の今回のフランス訪問は主に宗教的講義のためであり政治的活動は少ない。
その中でも水曜日には議員たちとの会合において中国当局のチベットに対する弾圧を非難した。

国内ではサルコジ大統領が法王に会わないことに対する非難の声が高まっているが、そんな中、16日土曜日には法王は去年の大統領選でサルコジ氏の対抗馬であったセゴレンヌ・ロワイヤル女史と会談した。
女史はチベットを訪問したいと語った。

北京では外人によるプロ・チベットのデモのニュースが続いているが、法王は再度オリンピックを妨害しないようにとおっしゃった。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

チベット青年会議は8月14日から三度目の<死のハンスト>を始めている
前回、前々回は一人が危険な状態になった時、インド警察が強制ストップをかけている。
今回は18人の参加者という。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=22513&article=TYC+resumes+hunger+strike+with+a+fresh+group%3b+observes+India’s+Independence+Day

—————————————

東京新聞より:

<中国・チベット暴動 その後 チベット人女性作家 ツェリンウォセ氏>
2008年8月17日 07時09分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008081790070926.html

 華やかに開催されている北京五輪の会場周辺では、中国のチベット政策に抗議する人々が拘束される事件が相次いでいる。三月のチベット暴動は真相が解明されないまま、現在も六千人近くの僧侶らが獄中にいるといわれる。北京を拠点にチベット暴動の経緯を記録し続けているチベット人作家、ツェリンウォセ氏にチベット人の思いを聞いた。(北京・鈴木孝昌)

   ◇  ◇

 -拘束された人々はどのような処罰を受けているのか。

 「主な収監場所はラサ駅にある倉庫の中。友人の一人は四肢を針金で縛られて一カ月間もつるされ、拷問を受けた。水ももらえず、最後は自分の尿を飲んで命をつないだ。こん棒やワイヤ、電気棒など、拷問に使う刑具は自分で選ばせ、どれを最も痛がるかを楽しむ。トイレに行く時は後ろ手に縛られ、汚物が散乱する床に顔がつくほどに近づけて、排便させられる。徹底的に人間を侮辱し、おとしめ、もてあそぶやり方だ。耐えかねて自殺したり気が狂ってしまった人も多い」

 -事件の死者は結局どのくらいか。

 「当局発表の死者数にはチベット人が含まれていない。だが、各地で発砲があり、多くのチベット人が殺された。三月十四日の午後、ラサで特殊警察部隊が一人の女性を射殺し、すぐに遺体を片付けるのを見た人がいる。自殺者や獄死者、行方不明者などを合わせれば相当な数になる」

 -暴動はなぜ起きたのか。

 「宗教への弾圧が最大の原因。一九九五年に始まった愛国主義教育はすべてのラマ僧に“チベットは中国の一部である”と認めさせ、ダライ・ラマ十四世を攻撃する言葉を書くよう強要した。僧にとっては地獄と同じ。積年の恨みが爆発するから衝突が起こる」

 -当局は「チベット青年会議」を暴動の首謀者とみている。

 「暴動は政府への恨みと不満が原因だと言えば、チベット政策が失敗だったと認めることになる。また、軍や警察はなぜ暴動を防げなかったのか。当局としては責任を転嫁する対象が必要なだけ。自分の失敗を認めるわけにはいかないから」

 -中国政府との対話は進展がない。当局は高齢のダライ・ラマが死去するのを待っているとの見方もある。

 「ダライ・ラマの死後も魂は転生し、永遠に存在し続ける。彼の寿命はチベットの将来とは関係ない。中国は対話について何の誠意もなく、期待はできない。ダライ・ラマが求めている自治とはチベット文化に関するものだ。真の自治があるのなら、中国語よりもチベット語を使わせてほしい。ラサではチベット語で手紙を書いても配達されない。言葉を失った民族は必ず衰退してしまう」

 ツェリンウォセ氏(中国名・茨仁唯色) 1966年、ラサ生まれ。チベットに関する詩集、紀行文などを多数発表。個人ブログにチベット暴動の内幕を発表していたが、ブログを閉鎖され軟禁状態に置かれている。

 <チベット暴動> 中国チベット自治区ラサでことし3月10日、チベット政策に抗議する僧侶らがデモ行進し、14日には商店や車両を焼き打ちした。暴動は周辺の甘粛省や四川省にも拡大したが、武力で鎮圧された。当局は死者20人と発表しているが、インドに拠点を置くチベット亡命政府は死者203人とし、現在も5700人以上が拘束されているとしている。

(東京新聞)

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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