チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年6月29日

NHKの話/中国当局チベット人36人をWANTED

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b1145d4c.JPGNHKに投書を

いよいよ、今日の夕方18時10分からNHKでチベットが報道されますね。
ここで見れないのが悔しいですね。

残念ながらナンパラ峠の射殺場面はでませんが、一般の人には良い番組となることを祈っています。
シガツェの監獄で一か月間の拷問にあった子供の話しは今回は出ませんが、次回の長い方では必ず出させます。
長いのも制作されるだろうと言ったことから
「え、もしかしてNHKスペシャル!?」と思われた人がいらっしゃたようですが。
今回それはないですよ。

しかし、いずれ「NHKスペシャル」にもチャレンジします。

一つ皆様にお願いがあります。
今回これが放映されるまでには、NHKのチベット問題に対しやる気がある複数の人達の特別の努力があったのです。
特にデリー支局のOカメラマンには感謝しています。
もちろん東京の上司の方が力強くバックアップして下さったことで実現できたのでしょう。
ですから、みなさんこれからも引き続きチベット問題をNHKさんにとって頂くために、ご覧になりもし良い感想を持たれた方は(物足りないと思われた方はそのように)NHKに投書お願いします
といっても私はその方法をしりませんが、メールとか電話とかですかね?
特別にそのような窓口をご存じの方はお知らせください。

「子供の絵」を通してチベットの現状を訴える映像です。

おそらく主人公になるツェリン・ノルブ14歳の秘蔵絵画を今度の東京の展示会でお見せします!

その他アマアデと一緒に子供たちが描いた絵も貰っちゃいました。

みんなに普通の絵を描くようにといったのに、ちょっと後ろの壁に張り出された様々な<模範チベット人弾圧絵>をちらっと見た男の子たちはほぼ全員<虐殺シーン>を描くことに熱中しはじめました。女の子はだいたい普通の絵でした。
このところ町で中国軍によって撃たれた死体の写真を毎日見続けているので、男の子には解り易い絵なわけです。
良くない傾向と思います。

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嬉しいニュースをもう一つ

TCVサッカーチームがワールド・ユース・カップに出場

http://phayul.com/news/article.aspx?id=21786&article=TCV+students+to+participate+in+World+Youth+Cup+soccer+tournament
6月28日付phayul.comによれば、
来月スウェーデンで行われる the Gothia Cup に15歳~18歳のTCV(チベット難民子供村)の生徒14人が参加することが決定された。

7月13~19日の間 Gothenburg’s Ullevi Stadium で行われるB18カテゴリーにエントリーする。

長年の海外遠征の夢が叶ったのはスウェーデンのチベット支援NGOの多大な援助があったお陰という。

このゴティアカップは1975年に275ティームの戦いから始まった由緒ある有名なカップだ。

主催者であるダニー・アンダーソン氏は「我々はスポーツを政治問題化しないし、又国を失った地域の子供たちも排除しない。子供たちはいかなる境界も感じてないし、境界を作ろうともしない」

彼らは7月11日にインドを立ち20日に帰国する。

彼らもチベットから亡命してきた子供たちです。
これはすごいことなのです。

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実話、かつて「日本にチベットサッカーチームを招待する」とか「何人か有望なのを日本で育てる」という話があったのですがね、、、、

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サッカーといえばこの前お伝えした、ユーロ2008でのチベット支援飛び出し男の映像を見ることができます。
(すみませんさっき見たのにもうどこに行ってみたのか分からなくなちゃった、、、誰か教えて)

背中にはっきりチベット国旗が見えます。

良くやった!!!

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さて、嬉しい話しが続いたのですが、

これから先はいつものように悲しい話しです。

6月28日付緊急委員会リリースより、
http://www.stoptibetcrisis.net/pr280608.html

中国当局は36人のチベット人を指名手配

カルゼチベット族自治県の公安当局は5月7日付で36人のチベット人を逮捕すべく、その夫々の氏名、性別、住所、住民票番号、身体的特徴並びに写真とともに公開逮捕状を至るところに張り出した。

ツェリン・ネメその他以下にリストアップされたチベット人はある罪に問われている。36人とも逃亡中だ。
全ての地方公安はこの逮捕命令を受けた後、ただちに彼らの逮捕を目指せ。
如何なる個人であろうと、団体であろうと逮捕を助けるために、彼らの居場所に連れて行くなり、情報をよこすなり、逮捕に直接関わった者にはその<善き働き>に応じて相当額の報奨金が支払われるであろう

最年少は22歳、最年長は62歳、6人の女性が含まれる。
現在このうち何人が既に逮捕されたのかについての情報は入ってない。

以下その名簿:

1) Tsering Nemay, 25 yrs. Lhopa township, Karze county, 2) Shao Men Men, 43 yrs. female, No. 8 section, Karze town. 3) Gonpo Wangchuk, around 40 yrs. Nyagzam township, Karze town. 4) Tsetan Phuntsok (monk) 38 yrs, Rongpatsa township, Karze county, 5) Rigzin Karma, 22 yrs, Tsogo township, Drakgo county, 6) Chodak, 22 yrs., Trehor township, Drakgo county, 7) Rigzin, Trehor township, Drakgo county, 8) Tseyang alias Yangtso, female, 36 yrs., Tsogo township, Drakgo county, 9) Tenthup, 53 yrs., Nyitoe township, Serta county, 10) Sherten, 30 yrs., Ragtsong township, Serta county, 11) Adron, female, 36 yrs., Taktse township, Serta county, 12) Choeden Kyab, 35 yrs., Choktsang township, Serta county, 13) Soepa, 52 yrs., Yalung township, Serta county, 14) Kyare, female, 30 yrs., Wuda township, Serta county, 15) Woepe, 42 yrs, Serta county, 16) Nyipo, Serkhog township, Serta county, 17) Solo, 40 yrs., Taktse township, Serta county, 18) Tsultim Wangpo, 38 yrs, Taktse township, Serta county, 19) Konchok, 48 yrs, Taktse township, Serta county, 20) Tsekyi, 40 yrs, Choktsang township, Serta county, 21) Sonam Dorje, 25, Yango township, Serta county 22) Lobsang Jamyang alias Lojam, 26 yrs., Serkhog township, Serta county, 23) Sherdrak, 39 yrs, Khamleg township, Serta county, 24) Thupga, 30 yrs, Khamleg township, Serta county, 25) Lodoe alias Ngozum Takdong, 36 yrs, Ragtsong township, Serta county, 26) Tade, female, 55 yrs, Khamleg township, Serta county, 27) Topdo, 38 yrs, Ragtsong township, Serta county, 28) Nyisher, 27 yrs, Samshulthang village, Serta county, 29) Dade, 43 yrs, Nyitoe township, Serta county, 30) Phundo, 51 yrs, Kheokor township, Serta county, 31) Nyima, 40 yrs, Khamleg township, Serta county, 32) Jamyang, 42, Nyitoe township, Serta county, 33) Woetso, 28 yrs, Khamleg township, Serta county, 34) Choetso, female, 53 yrs, Serta county, 35) Tashi, 62, Gyashoe village, Serta county, and 36) Kelsang (butter seller), 31 yrs, Serta county.

ちなみにその出身地を書き出してみた。
すると、一人ずつがロパ、第8区(中国人のような名前)、ニャクザム、ロンパツァ村出身、ダクゴ地区のツォゴ2人、テホル2人、その他28人は全てセルタ(色達)地区出身だ。
そのうちでもカムレック村とタクツェ村出身者が5人づつで最多だ。
セルタでの出来事は昨日も少しだけお知らせしましたが、今までにも伝わって来なかった大きな衝突があったと推察されます。
何しろ一度中国に弾圧された因縁のあるニンマの大僧院がある地区なので抵抗運動があっても不思議ではありません。

それにしても、逮捕されるも地獄、逃亡するも地獄です。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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