チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年6月28日
カン・リンポチェでは
本日RFAの放送より、
インド側からチベット人が帰還行進を行っていることを知った中国はラダックに近いトゥ・ンガリ地方に大量の軍隊を派遣した。
特にインド側のラダックの谷を遡ったとこにある中国側タシガンの町には1000人近い軍隊が一か月前より駐留しているという。
町の人々も数日前まで外出禁止令が出ていたという。
アリやシガツェにも軍隊が数千人単位で増強されている。
カン・リンポチェ(カイラス山)では
6月21日~24日まで巡礼が全面禁止された。
最近はチベット人でもカンリンポチェに巡礼に行くものは特別の許可証を持たないといけない。
サカダワの中日にはこの許可証を持っているものでもカンリンポチェに近ずくことは許されなかった。
しかしその代り、中国は何人かのチベット人を強要して、チベット人が楽しくサカダワにカンリンポチェを巡礼していることを宣伝するためのTV番組を制作していたという。
写真はチベット人を見張る中国武装警官(C/R AFP)ーーー
聖なるカン・リンポチェ様も、このチベット人の現状をさぞ嘆いていらっしゃることであろう。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)