チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2008年6月27日
第11回国連国際拷問犠牲者支援デー
まずは昨日お伝えしたNHKの話の続きです。
例のナンパラの映像はどうやら放映されないことになったとか。
残念ですね。どうやらルーマニアの放送局が中国に脅迫ないしは買収されていると?おっとこれは私の勝手な想像です。
流石のNHKも放映権が得られなかったのですね。
他BBCとかではどんどんやったじゃないかって、、、??
その代わりといってはなんですが、29日に放送される版の拡大版が新たに製作され再び流されるそうです。
相当長い番組になる予定です。
いい話しじゃないですか。
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今日のニュースとしては、
ネパールで始まった帰還行進はもう二日ほどで国境に到着する。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=21773&article=Nepal+Tibetan+marchers+halfway+to+the+border
フランスのムッシューサコジ大統領は8月にダライラマ法王と会談する。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=21776&article=French+President+will+meet+with+Dalai+Lama%2c+reports+French+daily
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以下
ダラムサラのTCHRD(チベット人権民主センター)26日付リリースより抜粋。
http://www.tchrd.org/press/2008/pr20080626.html
<TCHRDは第11回国連国際拷問犠牲者支援デーを記念する>
1984年国連総会は「拷問及びその他の凄惨かつ非人間的、恥辱的扱いや刑罰(CAT)」に反対するという国連憲章を採択した。
それは実際に1987年6月26日から施工された。
TCHRDは50年以降のチベット人に対する激しい人権侵害について語り、
今なお6500人のチベット人が収監されていること、
最近の拷問死の事例を数件上げた後、
「中でも政治犯は拷問の一番の標的とされる。、、、
電気棒、激しい暴行、顔にタバコの火を押しあてる、動くとどんどん閉まる手錠、指錠、足枷、宙吊り(俗称飛行機)、酷寒、酷暑に長時間晒す、無窓独房に長期間押し込める、眠らせない、強制労働等は一般的に使われる拷問手段のほんの一部だ。
これらの拷問により中国当局はチベット人の民族精神と個人の人格を破壊することを目的としている。
肉体的損傷もさることながら、一般に拷問被害者にとっては心理的、情緒的傷がもっとも破壊的であり癒しがたいものとなる。
さらに刑期を終えてそれぞれの出身地に返されたのちにも、様々の試練が元政治犯には待っている。
まず、彼らは元のように僧侶、尼僧になることは許されない。様々な市民権を剥奪され、当局に監視され続け、ほぼまっとうな人生の希望は奪われ続ける。
このようであるので、多くの元政治犯は自由と新しい生活のために亡命を選ぶのだ。」
中国人民共和国は1986年12月12日この国連憲章を批准し、1988年10月4日より施工された。
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中国の拷問文化の話はもううんざりだが、、
最近のチベットの状況を<ネオチベット文化大革命>と仮に名付けるとして、その
参考書として時間のある方は、嘗て文化大革命の間チベットになにが起こったのかを知るために:
チベット 受難と希望
「雪の国」の民主主義
ピエール=アントワーヌ・ドネ
サイマル出版会
の102p~134p
<毛沢東主義者の狂乱>の章をお読みください。
図書館にでも行かないともうないかもしれないけど。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)