チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2008年5月30日

再びカンゼ3人の尼僧デモ、マルカム爆破容疑で5人逮捕、ティングリでも

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076e9178.JPGまず昨日も28日の出来事としてお伝えしたカンゼの女性一人デモの、そのつい一時間前にも尼僧3人によるデモがあったという。
例の女性は21歳だったのです。

以下TCHRDより、Y女史訳
http://www.tchrd.org/press/2008/pr20080529.html
TCHRD 2008年5月29日 リリース

中国当局、カンゼでの平和的抗議行動に発砲

TCHRD(チベット人権民主化センター)はここ2、3週間、特にカンゼ郡各地の尼僧院からの多くの尼僧達による抗議活動について、文書でお伝えしてきた。

TCHRDに寄せられた信頼できる情報筋からの最新報告では、ドカル尼僧院の尼僧三
名と女生徒一名
が平和的抗議活動を行った容疑で、昨日カンゼ郡公安省により逮
捕された。

三名の尼僧の氏名は次の通り。
サンギェ・ラモ尼 (26歳、カンゼ郡セルチュテン街区ドゥンガ村のキャキャ
テンツァン家出身)
ツェワン・カンド尼 (38歳、カンゼ郡セルチュテン街区ドゥンガ村出身)
イェシェ・ランドン尼 (24歳、カンゼ郡ツォジ村出身)

三名の現在の状況は現時点では不明。

この三名によるデモのおよそ一時間後、一人の女性によるデモが行われた。この
女性は、カンゼ郡ティンカ街区ラケイ村タポツェン家出身のリンチェン・ラモ、21
。郡中央役所で、禁じられたチベット国旗を振り回しながら、尼僧達と同じよ
うなスローガンを叫んだ。

その場に居合わせた証人によると、郡の治安部隊が発砲。リンチェン・ラモが撃
たれたか負傷したかについて、はっきりとした情報はない。しかしながら、彼女
の短い抗議の後、保安省職員が郡中央役所の前でリンチェンを拘束したことは確
認されている

別の証言によると、リンチェン・ラモは顔や体から流血していたが、それが治安部隊
による激しい殴打によるものか、あるいは発砲によるものかについては、確認で
きなかったという。リンチェンの現在の居所については不明。怪我を負っている
ことは確認されており、彼女は早急に医療措置を施される必要がある。

カンゼ郡では当局が政治的抗議者への弾圧をさらに強めようと治安部隊の配置を
増やしており、現在の状況はきわめて緊迫していることがわかっている。

TCHRDは、平和的なデモを行っているチベット人に残虐な武力弾圧を加えている中
国治安部隊に対して、最大限の抗議の意を表明する。TCHRDはまた、中国政府に対
して、世界人権宣言に謳われている基本的人権を行使したことにより逮捕・拘束
されているすべてのチベット人を釈放するよう、強く求める。この基本的人権は
中国憲法のみならず中国自身が署名・調印している多くの国際条約において、保
障されているものである。

(以上)

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さらに、カム、マルカムでは4月初めの大規模なデモの最中に4つの小さな爆発があったというが、その事件の嫌疑で多数の逮捕者がでているという。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=21429&article=Tibetan+Monks+Linked+to+Blasts

このデモと爆発は4月6,7日に起こった。
しかし爆発は小規模でありけが人も出ていないという。
これに関連して
5月14日、マルカムのウーセル僧院から5人の僧侶
Tenphel, 19; Riyang, 21; Choegyal, 23; Lobsang, 19; and Tenzin Tsampa, 19.
ケンルン僧院から11人の僧侶
Lobdra, 15; Namgyal, 18; Butruk, 13; Jamyang Lodroe, 15; Tsepak Namgyal, 15; Kalsang Tashi, 17; Jamdrub, 21; Wangchuk, 22; Penpa Gyaltsen, 26; Pasang Tashi, 30; and Lhamo Tsang.
二人の俗人が逮捕された。
Dargye Garwatsang, 19, and Konchog Tenzin, 21.

さらに5月24日にはガンサル僧院の僧侶5人も逮捕された
Gonpo, 20; Choedrub, 25; Palden, 30; Ngawang Phuntsok, 17; and Kunga, 20.

この地域にも5月に入り<愛国再教育キャンペーン>が強化されているという。
これらの逮捕も愛国教育に絡んだものとの情報もあり、爆発との関連は定かではない。

ま、爆発自体も果たしてチベット人がやったのかは怪しいところと思う。

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さらにもう一つ、
http://www.stoptibetcrisis.net/pr290508.html

29日付の委員会リリースによれば、

あのチョモランマのチベット側ベースに程近く、ラサ~カトマンドゥルート上にあることで、日本人の旅行者の間でもチョモランマを写真に撮ったり、昼食取ったりの場所として、有名な<ティングリ>からも逮捕者が出ました。

<愛国教育>中法王を誹謗中傷することを拒んだとして、ティングリ シェルカー僧院の僧侶12人が逮捕されたという。
内4人は現在ティングリ拘置所に収監されているが、残りの8人はすでにシガツェに移送されたという。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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